研究課題/領域番号 |
19K01898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
亀岡 京子 東海大学, 経営学部, 教授 (80589614)
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研究分担者 |
中村 亮一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30366356)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イノベーション / エコシステム / 医療機器 / 生活支援機器 / ロボット / デジタル化 / 実証試験 / リビングラボ / ユーザーコミュニティ / アントレプレナーシップ / 技術転用 / ユーザーイノベーション / コラボレーション / 産官学連携 / 医療機器・ロボット / 福祉機器・ロボット / 仲介機能 / オープンイノベーション / 実証実験 / 遠隔医療 / 医工連携 / スタートアップ支援 / 医療機器・福祉機器のイノベーション / 生活支援ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、医療用・生活支援用の機器・ロボットの新製品開発において、①成功した企業は大学や研究機関、公的機関とどのように協働して製品・工程イノベーションを生み出し、事業化に繋げているのか、そして②どのようにビジネス・エコシステムを構築してその事業から持続的な収益を獲得するのか、そのプロセスと要因を明らかにするものである。 研究方法として、具体的な開発事例(研究分担者が関与した開発事例あり)をいくつか取り上げ質的調査を行う。調査方法は以下の通りである。 (a)新製品開発に関与したさまざまな関係者へのインタビュー調査を行う。 (b)定期的に開発会議やマーケティング・販売会議に参加し、非参与観察を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では、医療・生活支援のデバイスやロボットの上市に成功した企業は、どのようにビジネスエコシステムを形成させることができたのか、そのプロセスと成功要因を検討してきた。特に、次の2点に焦点を当てており、①企業から見た、大学や研究機関、公的機関、スタートアップ、起業家との関係性の構築から事業化へのプロセス②その事業からエコシステム全体の持続的な収益の獲得プロセスとそれがなぜ可能になったのかというものである。 研究方法は、上述に関連する製品の研究・技術開発に成功した事例を特定し、できる限り多くの関係者にインタビューを実施する定性調査である。そのインタビュー結果を基に既存研究の理論を踏まえて分析し、従来の理論では説明できないメカニズムを探り出してきた。 2023年度の調査の成果は、車椅子生活者が自分で脱ぎ履きできるジーンズの製品開発の事例である。車椅子で生活するジーンズの共同発案者である起業家と既存のアパレル企業のオーナーがコアになり、エコシステムが生まれていったことが分かった。このジーンズの原材料調達からデザイン、パターン、裁断、製造、販売と一連のバリューチェーンにはさまざまな企業や主体が関わっている。それらの活動の結果、これまでに存在しなかった社会的意義のあるジーンズ、つまりイノベーションを生み出せた事例といえる。このプロセスの特徴は、エコシステムのコアが企業ではなく2人の個人であったことである。一人は車椅子生活者、一人は企業オーナーである。身体障がい者の困りごとを企業オーナーが見つけ出し、ビジネスとしての採算性を睨みながらも、従業員を巻き込まず個人の裁量で製品開発を進めたことに特徴がある。エコシステムを形成することで自社にない資源を動員し、最終製品の完成にこぎ着けた。中小企業のイノベーションの発生プロセスに関するインプリケーションも得られたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初3年間はCovid-19のため、研究計画の見直しを迫られた。しかし、本研究プロジェクトを延長し、研究方法も参与観察からインタビュー調査に切り替えたことで、ようやく当初の計画に追いついてきた。
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今後の研究の推進方策 |
できれば参与観察も行いたいが、インタビュー調査で時系列的にプロジェクト関与者に話を聞いてことことが重要であるように考える。
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