研究課題/領域番号 |
19K01900
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
石井 正道 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (60356277)
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研究分担者 |
矢本 成恒 名古屋商科大学, 経営学部, 教授 (10635775)
亀倉 正彦 名古屋商科大学, 商学部, 教授 (60329688)
柳 承辰 名古屋商科大学, 経営学部, 講師 (80580307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アントレプレナー / 事業機会 / 不確実性 / 意思決定 / 予測 / アントレプレナーシップ / Creation型 / ソーシャルネットワーク / ヒューマンキャピタル / ネットワーク / 多様性 / ケーススタディ / シュンペーター / カーズナー / 創造型 / 発見型 / 事業機会発見プロセス / structural hole / 複数ケーススタディ / 地域経済政策 |
研究開始時の研究の概要 |
アントレプレナーシップには事業機会を創造するSchumpeter型と発見するKirzner型の2種類あり、近年、これらの事業機会形成プロセスやマネジメント方法は異なることが議論されているが, 実証研究は限定的で, 十分な知見が得られていない。本研究では, 以前よりアントレプレナーシップに影響を与えると指摘されているネットワーク (social network)に焦点をあて, 2つの種類のアントレプレナーシップで, どのようにネットワークの構造や形成プロセスが異なるのかを研究する。最終的にはアントレプレナーシップの事業機会形成に有効なネットワークのマネジメント方法を見出すことを目指している。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、発見型と創造型の2つのアントレプレナーシップの間で、ネットワーク活動に関して違いを明らかにし、アントレプレナーシップにお けるネットワークのマネジメント方法に関する知見に貢献することであった。 昨年度において、発見型と創造型の2つを分類する手段を検討する段階で、先行研究が主張する創造型のアントレプレナーは「予測」をしない、ということについて、既存のデータで検証したところ、「予測」をしていたことを発見した。ここまでが2022年度の研究である。 2023年度は、「予測」に関する研究成果を、主要な国際学会に投稿したが、残念ながら通らなかった。このときの理由の一つは、先行研究との関連で、アントレプレナーが予測をするかどうか、については、アントレプレナーの意思決定研究の流れがあり、その中での位置付けや先行研究との違いなどの明確化が不足している、という点が挙げられている。そのため、意思決定分野を含め関連する先行研究調査を行なってきた。今後、この点を詰めていかなければならない。 アントレプレナーの予測活動は、非常に重要だと認識している。今までの調査の結果、アントレプレナー自身の予測が事業機会形成の活動を方向づける重要な役割をしている。優れた予測をすれば、より事業機会を形成できることが想定される。そのため、成功しているアントレプレナーの予測にパターン等を見出せれば、予測をうまくする方法が見出され、今後のアントレプレナー育成などに役立つものになる可能性があると考えている。 なお、本研究が扱っている「予測」は、従来から研究されている科学技術予測の予測とは異なるもので、アントレプレナーが事業機会を形成するときに行う予測のことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の目的はアントレプレナーシップにおけるネットワーク活動において発見型と創造型の違いを研究することであったが、創造型の特徴と言われていた「予測」しない、という要素に疑問を持ち、昨年度は、創造型のアントレプレナーでも「予測」することを発見した。今年度は、この発見を論文にして主要な国際学会へ投稿を2回ほど試みたが、アクセプトに至らなかった。指摘された論文としての課題は、先行研究における位置付けが主要なものとなっている。 その後の先行研究の調査では、アントレプレナーの意思決定の研究分野に関連づけられると考え、研究が盛んに行われているeffectuation/causationや、近年注目を集めつつあるjudgmentについての先行研究をレビューしてきた。これらの先行研究の中では、全くと言っていいほど予測は扱われていない。これから、さらに先行研究を分析し、どのように位置づけられるのかを考察する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
「アントレプレナーの不確実性下における意思決定」の研究分野に焦点を当て、その中でも注目されている、judgmentを含めて先行研究調査を行い、予測という活動を、どのように位置づけられるかを検討する。これによって、研究課題を絞り込み、仮説を作成して、インタビュー調査を実施することを考えている。 アントレプレナーの予測活動は、非常に重要だと認識している。今までの調査の結果、アントレプレナー自身の予測が事業機会形成の活動を方向づける重要な役割をしている。優れた予測をすれば、より事業機会を形成できることが想定される。そのため、成功しているアントレプレナーの予測にパターン等を見出せれば、予測をうまくする方法が見出され、今後のアントレプレナー育成などに役立つものになる可能性があると考えている。
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