研究課題/領域番号 |
19K01901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
野瀬 義明 同志社大学, ビジネス研究科, 教授 (80633966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ペイアウト / 株主優待 / 株式型クラウドファンディング / 株主ベース / 株価急落リスク / price-runup / ブランド・ロイヤルティ / 株主還元 / 配当 / 自社株買い |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「企業それぞれにとっての最適なペイアウト政策が、定量的に把握できるのではないか」という学術的な問いのもと、配当・自社株買い・株主優待という3つのペイアウト手段の組み合わせから実施企業の株主価値を推定する計量モデルを構築する。 本研究が研究期間内明らかにすることは、以下の3点である。1)日本企業のペイアウト手段の選択状況を明らかにする。2)ペイアウト手段の選択と株主価値・企業価値との関係を明らかにする。3)ペイアウト政策選択モデルを構築し公表する。
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研究成果の概要 |
本研究では、配当、自社株買い、株主優待という3つのペイアウトのうち株主優待にフォーカスして、研究を進めてきた。第一の研究では株主優待が個人投資家の認知度を高める効果があるというメカニズムを解明した。第二の研究では、株主優待には危機時に株価の下支え効果があることを実証した。第三の研究では、スタートアップファイナンスである株式型クラウドファンディングでは、株主優待に投資の誘因効果がない事を示した。第四の研究では、長期株主優待制度が株主ベース拡大を通じて株価に正の効果をもたらすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果は、株主優待には配当や自社株買いとは異なる独自効果があることを示唆する。その効果は株式価値に対して正方向のものであり、とりわけ危機時や長期株主優遇制度を導入する際に顕在化することが明らかとなった。MM理論はペイアウト手段と株式価値との間に無相関を想定するが、実際の株式市場は理論と異なる状況であると示した。また、株主優待の効用は概ねポジティブなものであることは、上場企業のペイアウト政策において、株主優待が優先されるべきことも明らかとなった。このようなペイアウト政策の優先度を、節税効果の切り口以外で明らかにしたのは本研究が初めてである。
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