研究課題/領域番号 |
19K01916
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2021-2023) 長崎大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
中西 善信 東洋大学, 経営学部, 教授 (30755905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 正統性 / アカウンタビリティ / 行政機関 / 公共調達 / スティグマ / メディア / 説明責任 / 公組織 / マスメディア / 適応 |
研究開始時の研究の概要 |
組織は,正統性(「真っ当な組織である」という外部からの認識)を獲得するために外部圧力に応えようとし,かえって業務効率低下等の問題を引き起こすことがある。本研究は,国内外における公共調達(入札)を題材に,このような正統性獲得行動による問題発生メカニズムの理解を目指す。 対象組織は,行政機関とその外部者(マスメディア,市民団体,外部委員会等)である。また検討に際し「説明責任」に関する研究知見を援用する。 具体的には,各組織の(説明責任を通じた)正統性獲得行動の内容と生じうる問題,各組織の正統性獲得行動の差異を生じさせる要因,及び各組織の正統性獲得行動が問題発生につながる条件を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は,組織が正統性を獲得しようとしてかえって新たな問題を生じさせるような行動を取ってしまうに至るメカニズムの解明を目的とした。特に,アカウンタビリティを通じた正統性獲得に着目した。研究成果として,国際学術誌に論文4本を発表した。それぞれ,スティグマ緩和行動,入札行動,アカウンタビリティの問題,組織学習と正統性の関係を題材にしたものである。 上記研究成果は,書籍『公共調達の組織論:正統性とアカウンタビリティの罠』として刊行した(経営行動科学学会2022年度JAASアワード(優秀研究賞)受賞)。また,アンラーニング不全に関する行政機関職員とメディアの認知に関して探索し,学会報告2件を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
行政機関による正統性やアカウンタビリティへの偏重は,業務効率低下等,様々な問題を生じさせている。しかし,そのメカニズムの理解は断片的なものに留まっていた。本研究は,そのような問題発生メカニズムの一端を明らかにした。特に,手続きアカウンタビリティ偏重が,行政の効率を低下させるだけでなく,手続き正統性をも棄損することを明らかにした。 この問題解決のため,行政機関の内外,そして,行政機関内での管理部門と原課の対話の重要性を指摘した。これらの示唆は,今後の行政のアカウンタビリティ制度設計に生かされるものである。
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