研究課題/領域番号 |
19K01919
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
|
研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
幸田 達郎 文教大学, 人間科学部, 教授 (30468368)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | ベトナム / モジュール / 経路依存性 / 成果主義 / 年功序列 / 集団主義 / 協調 / 比較制度分析 / モジュール化 / 擦り合わせ / コミュニケーション / 人事制度 / ケイパビリティ / 暗黙知 / 形式知 / 日本企業 / 日本文化 / 日本的経営 / 新制度派経済学および歴史制度的分析の手法 / 取引費用 / チャレンジ / 新制度派経済学 / 国際経営 / すり合わせ / 産業・組織心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の日本企業の強みの根底に「年功序列」と内輪での「擦り合わせ能力」があるといわれていた。しかし、最近では「成果主義」や国際的な「モジュール化」が新たな課題になっている。 こうしたなか、信頼や協力からドライな取引条件の設定へと産業の仕組自体が変わりつつある可能性が否定できない。 不祥事の温床ともなりかねない相手との馴れ合いやチャレンジの雰囲気にも質的な変化が起こりつつあると考えられる。 社員や経営者の行動に影響を与える評価制度の影響を測定しながら、企業間の現場の接点にいる個人の対・社内、対・社外の社会的交換関係を定量的に測定し、その詳細を定性的に記述する。
|
研究実績の概要 |
今年度は日越比較を通してこれまで合理的な側面だけでは説明しきれなかった側面に焦点を当てた。これまでの国内調査だけでは検証され続けていた制度的側面による説明が通用しない場面が生じた。具体的には、集団主義的風土は年功序列的な制度から醸成され、個人主義的・競争至上主義的風土は成果主義的な制度から醸成されるという調査結果が日本1国内の調査においてこれまで得られていたが、ベトナム企業の成果主義的な制度のもとでも集団主義的な風土が強く発揮されていた。そのために、今年度は経済的変化の背景に横たわる心理学的問題の分析を試みた。特に、ベトナム社会の制度的変化がもたらす心理的影響について、日本との対比を今年度の研究成果として提示し書籍内の1章として公開する。今回は調査の結果を分析する際のアプローチはこれまでと異なる方向から理論的な構築作業を進めた。今年度は今年度の分析を処理するために拠り所となる欲求理論の枠組を利用し、文化的底辺として通奏低音となる日越社会の特徴を考察した。そのうえで人間の基本的欲求の発展を、低次の欲求の解決とその充足のための施策の連続として経路依存的な発展として捉え直した。一方の制度的発展は、2国間で、それぞれの発展状態に応じて時間的ズレを保ちながら時間経緯が進む一方で、新たな技術の普及などは共時的に普及することから、必ずしも後発国家が後塵を拝すということではなく、政策的に資源・人材・教育を傾注することによって先発国家を凌駕する発展を遂げることもできる。そういった逆転の可能性のカギはモジュール化であり、世界的なモジュール的な協働体制のなかで、どの部分を分担するのかという極めて戦略的な政策判断が重要になる。こうした複数集団(この場合には国家)相互の競争のなかで、どのような資源の傾注を行うのかは今後の各大学の経営にも共通することであり、大変参考になった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
統計的調査が後回しになってしまっている一方、海外取材で予想を上回る成果を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
学内の指示に従って研究を行う。
|