研究課題/領域番号 |
19K01922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西脇 暢子 日本大学, 経済学部, 教授 (50315743)
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研究分担者 |
大江 秋津 東京理科大学, 経営学部経営学科, 准教授 (90733478)
清水 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00334300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 多国籍企業 / 自動車産業 / 標準 / ガバナンス / 組織間連携 / 組織内連携 / 知識移転 / 知識共有 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代グローバル企業が、組織内部に国内外の各拠点が構築する個別のネットワークを内包した重層的ネットワークに変貌していることを念頭に、企業間連携ならびに同一組織内の拠点間連携とそこで行われるマネジメントを明らかにする。組織のマネジメントは、権限による統制またはメンバーの自主管理を軸に論じられてきたが、本研究はそれらとは異なる第三の組織統制手段として、知識共有を通じたマネジメントの重要性を明らかにする。これにより、ネットワーク化した現代企業では、多くのアクターから「標準」と認められた知識や技能を共有することが、組織を高度なレベルでマネジメントする手段となることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「標準(共通の知識、技術、プロセス、プロトコルなど)」を基盤に作られる企業間ネットワークが組織マネジメントに及ぼす影響を、自動車産業を事例に明らかにすることである。本研究が着目する標準はリーン生産システムである。コロナ禍によって延長した2022年度は、研究計画に明記した①文献研究、②データ分析、③現地調査のうち、②と③を補強した上でそれらを学術成果にまとめた。②は2019年度の分析結果(学会発表済み)をふまえて、多国籍企業の「ガバナンス」を直接・間接という出資形態について出資関係のある組織を互いに結んだ時のトライアッド構造に基づいて分類して作成した。独立変数である本国からの文化的距離は、国民性を表すホフステッド指数を用いてコグート=シン指数を計算し本国と拠点間の6次元の文化的距離を測定した。分析の結果、本国から海外拠点に対して行われるガバナンスがMNEの国際化に与える影響は、適度なコントロールが最も有効であることを示す逆U字の関係で示されることを明らかにした。この結果は学術論文とし、現在投稿中である。 ③は調査対象であるチェコ拠点の主要メンバーに追加でオンラインインタビューとメールサーベイを行った。パイロット調査時から収集した各種テキストデータをコード化した。分析の結果、拠点活動は「公式化」「統合」を通して本国と拠点による「協働的マネジメント」につながること、リーン生産システムと組織の2つのシステムの柔軟性と安定性は標準化によって支えられていることを明らかにした。この結果は、海外学術研究で発表した。また、優れた発表として学術学会主催団体がもつジャーナルに招待されており、現在、作成した論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍に伴い論文化に必要なデータ収集に遅れが生じたが、昨年度で必要なデータはほぼ入手できた。本年度はこれまで収集したデータをもとに論文作成を進める。まず、海外生産拠点で行われている新規採用者向けトレーニングプログラムの開発と実施のプロセスを対象に、地理的に離れた場所にある海外拠点のガバナンスを本国と拠点がどのように連携しながら進めているかを明らかにする。本研究ではチェコの製造拠点3か所に聞き取りを行ってきたが、本年度は追加調査が遅れていた拠点のデータの分析を進め、これらを論文化する。具体的には、トレーニングに関する海外ジャーナルへの投稿と、国際経営をテーマとする国内ジャーナルへの投稿を進める予定である。 あわせて、より専門的な知識の共有がもたらす多様な組織境界線の越境効果について引き続き研究を進める。組織や個人が保持するネットワークは「専門性」と「媒介性」という特性を持つ。企業とその従業員の中には、組織内外に専門知識を基盤とするネットワークを構築しているものがある。彼らにとって知識は資源であるだけでなく、情報共有の基盤であり、仲間とそれ以外を識別し、無関係のものたちがネットワーク内に入らないよう制御する障壁でもある。このような知識がもつ多様なガバナンス効果はまだ十分明らかにされていない。このテーマについては、本研究終了後も引き続き研究を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究引き続き標準の役割について研究を進める。その理由は、標準は多国籍企業の組織的ガバナンスを論じるうえの重要キーワードだからである。令和5年度は、標準とガバナンスの関係解明に関して研究を深める。あわせて、調査資料から明らかになった事実を論文にまとめ、国内外の学術雑誌で発表する。
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