研究課題/領域番号 |
19K01932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
橋本 理 関西大学, 社会学部, 教授 (60340650)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会的企業 / NPO / 協同組合 / ガバナンス / マネジメント / 多角化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、地域社会が抱える複合的な課題の解決にとりくむ社会的企業のガバナンスのあり方と支援システムの提起を目的とする。多角化をすすめる社会的企業の事業活動が持続可能なものとなるためには、一般企業とは異なる独自のガバナンスと支援システムの構築が必要となる。本研究は、(1)社会的企業の理論研究、(2)多角化をすすめる社会的企業の事例分析、(3)社会的企業に独自の経営課題の抽出、(4)多角化をすすめる社会的企業のガバナンスのあり方と支援システムの提起、を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、地域社会が抱える複合的な課題の解決にとりくむ社会的企業のガバナンスのあり方と支援システムの提起を目的としている。本年度は、社会的企業に関する理論分析や最近の世界での研究動向の分析、協同組合による高齢者介護・生活支援の現状の分析、協同組合における社会福祉経営の理論的分析を進めた。また、依然としてcovid-19の影響により、聞き取り調査が困難な状況があったため、中小企業や協同組合の歴史をたどり、今日の社会的企業の取り組みに類するものを抽出して分析を試みた。 協同組合による社会福祉経営については、2つの観点から分析することを目指した。1つは、協同組合が商品生産事業体かつ組織体の双方の側面を備えた存在であるということがどのように社会福祉の取り組みに活かされているかという観点である。もう1つは、協同組合の商品生産事業体としての側面に着目した場合、市場のプレイヤーとしてどのような独自性があるかという観点である。後者については、3つの側面から検討を深めた。第1に、地域の「必要」にこたえるという側面、第2に、利用者参加、労働者(職員)の参加がみられるという側面、第3に、事業にかかわって、アドボカシーを展開することにより、事業環境そのものの創造に関わるという側面である。 また、協同組合の経営を考察するうえでは、その事業形態の独自の特徴を考慮に入れる必要がある。組合組織では、労働者や市民の団結と規律を守るために個人よりも全体を優先させるような集団主義によって、集団内のより弱い立場にある人の意見がないがしろにされるおそれがある。そのようななか、協同組合が民主的で水平的な生産手段の共同管理の場を培う主体となるための条件について検討した。 上記の分析について、その一部は、論文として成果発表したが、2023年度も引き続き、研究ノートや論文、学会報告等によって成果発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19の影響により、いくつかの聞き取り調査は延期せざるを得なかった。それらの実態調査および分析は2023年度に実施することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
covid-19の影響により延期してきた調査を進める。また、協同組合や社会的な課題に取り組む中小企業の活動について分析を深め、本研究の課題である社会的企業のガバナンスや支援システムのあり方についての検討を進め、成果公表に向けた作業を行う予定である。
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