研究課題/領域番号 |
19K01947
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
水野 誠 明治大学, 商学部, 専任教授 (10361304)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | マーケティング戦略 / 広告戦略 / 価格戦略 / 期間限定製品 / アンブレラ・ブランド / コロナ禍 / 購買履歴データ / 広告接触データ / カスタマージャーニー / 期間限定 / アンブレラ・ブランディング / スキャンパネルデータ / スキャンデータ / シングルーソースデータ / 新製品 / 既存製品 / パッケージグッズ / 広告効果 / 選択モデル / 店舗売上データ / 新ブランド導入 / ブランドの二重苦 / ブランド戦略 / STP / 経験的妥当性 / マーケティング・サイエンス |
研究開始時の研究の概要 |
多くのマーケティングの教科書で言及され、実務家にも浸透しているマーケティング戦略に関する考え方(定石)には、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)と呼ばれる基本原理に加え、ブランド資産や顧客資産、製品ライフサイクルといった長期的視野の戦略に関わる概念がある。本研究では、そうしたマーケティング戦略に関する定石にデータに基づく経験的妥当性があるかどうかを検証するため、長期にわたって多くのカテゴリに関して蓄積されているパッケージグッズの購買データを用いた分析を行う。
|
研究実績の概要 |
マーケティング基本戦略の「定石」検証のため、実証分析とシミュレーションによる理論分析の2方向で研究を行った。前者については、以下のような研究実績を挙げた。 第1に、日本のビール市場を対象に、価格とTV広告、流通(配荷率)とともに期間限定品の導入やアンブレラ・ブランディングといった製品戦略の効果を離散-連続選択モデルによって分析した。石原昌和(ニューヨーク大学)、Minjung Kwon(シラキュース大学)との共著論文をJournal of the Academy of Marketing Scienceに投稿し、査読の結果、採択された。 第2に、同じく日本のビールその周辺カテゴリーを対象に、消費税や酒税のような制度的環境の変化のもとでの、製品・価格・広告等のマーケティング戦略の効果を分析した。石原昌和(ニューヨーク大学)、上武康亮(イェール大学)、林田光平(UCサンディエゴ)との共同研究を、日本マーケティング・サイエンス学会等で発表した。 第3に、広範なカテゴリーを対象とし、コロナ禍におけるパニック購買行動の原因を購買データとサーベイ調査から探る研究を行った。中野暁、赤松直樹(ともに明治学院大学)との共同研究の成果が、International Journal of Marketing & Distributionに査読付き論文として掲載された。 第4に、マーケティング戦略において重要な新製品の普及について、いくつかの理論的関心からエージェントベース・モデリングを適用し、分析結果を計算社会科学会、計測自動制御学会社会システム部会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本におけるビール市場の分析を優先した結果、いくつかの査読論文の発表に至った。他方でカテゴリを超えた、あるいは米国データの分析を視野に入れた一般化に至っていない。 これらの遅れの主な理由は、米国出張に伴う諸費用の増大により、在米の共同研究者との打ち合わせや共同作業の難しさが解消されていないためである。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は当初の計画を2年延長しており、早急に完遂させることが課題となる。日本におけるデータについては、これまで分析を積み重ねてきたビール・カテゴリーはもちろんのこと、それ以外のカテゴリのデータや米国におけるデータについても引き続き分析を進める。ビール市場の分析結果と合わせて、得られた知見を整理していく。マーケティング戦略に関するエージェントベース・モデルのシミュレーションについても、成果を研究書などの形でアウトプットすることを目標にする。
|