研究課題/領域番号 |
19K01958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
山下 裕子 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (90230432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アコヤ真珠 / 品質基準 / 組織フィールド / サステナビリティ / 真珠養殖 / アコヤ貝 / 複雑な品質 / チャネルの多様化 / 真珠 / 想像された未来 / 種のサステナビリティ / Actor Network Theory / 病原体 / ラグジュアリー製品とサステナビリティ / Michel Callon / 品質 / 種苗生産 / 想像された共同体 / グローバル・ヴァリューチェーン |
研究開始時の研究の概要 |
真珠産業を題材に取り、非常に複雑な品質を取り扱う市場プロセスの変容に関する実証研究を行う。真珠には、水産物・流通加工品・ブランド品・宝飾品等異なった品質基準があるが、チャネルの多様化、母貝の枯渇、グローバル競争といった要因のため品質の概念は大きく揺らいでいる。本研究のセントラル・クエッションは、過去の品質基準に基づき知識やノウハウを蓄積した生産者と流通業者の集合体が、未来の品質基準を新たに創り出せるのか、創り出す際に当たっての決定要因とは何か、である。「想像された過去の品質基準」と「想像された未来の品質基準」との対立構造を明確化し、異なる主体が合意形成に至る条件を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、天然資源に依存するラグジュアリー産品の代表である日本の養殖真珠の1世紀余にわたる歴史を踏まえ、大きな市場や環境変化の中での真珠の価値の再定義を模索する品質基準に焦点を定め、種苗から養殖業者、加工業者、小売業者等の多様なプレイヤーの織り成してきた制度変化のメカニズムを明らかにすることである。特に、過去に構築された品質基準と、多様化する市場の様々な品質基準とのはざまで混乱する組織フィールドで、 未来にむけた品質定義を可能にする条件の解明を行う。3つの国際学会・ワークショップと、2つのセミナーで報告を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然の素材に由来するラグジュアリー産品は絶対的な品質基準の設定は難しく制度的な要件に支えられている。ダイヤモンドに関しては法制度論や法社会学等の領域においてある程度の研究が蓄積されてきたものの、真珠に関しては研究がほとんど蓄積されてこなかった。また供給地の分散化やサステナビリティ重視等の近年の環境の変化による品質認識の変化については研究が必ずしも進んでいない。本研究は、(1)過去の品質基準の撤廃への経緯の整理、(2)アコヤ貝の大量斃死に起因する諸問題、(3)未来の品質についての複数企業の異なるアプローチについてデータを蓄積整理を行い、分析を行ったことでギャップを埋める第一歩となった。
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