研究課題/領域番号 |
19K01968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 中央大学 (2022) 東洋大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
李 キョンテ 中央大学, 商学部, 教授 (40453857)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 共有経済 / 物質的価値観 / 自発的簡素 / 商業的共有 / スキルシェア / プラットフォーム品質 / 満足 / 態度的ロイヤルティ / コラボ消費 / アクセスベースド消費 / ボランタリーシンプリシティ / 物質主義的価値観 / 対人的影響 / シェアリングサービス / 共同消費 / シェアリングエコノミー / 物質主義 / サブスクリプション / マテリアリズム / 生活満足度 / ウェルビーイング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、共有経済における商業的なシェアリングの文脈で、共同消費をめぐる因果関係を体系的に検討する。共同消費の先行要因としては消費者の価値観・ライフスタイル要因(マテリアリズムとボランタリーシンプリシティ)とシェアリングサービス要因が、共同消費の結果要因としては消費者の生活満足度/ウェルビーイングが、それぞれ中心的な概念として検討される。概念モデルを構築した上で、アンケート調査と統計解析に基づく実証分析を行い、共有経済における消費事象の学術的な体系化と精緻化を図る。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究実績は以下の通りである。 1.「How Are Material Values and Voluntary Simplicity Lifestyle Related to Attitudes and Intentions toward Commercial Sharing during the COVID-19 Pandemic? Evidence from Japan」(Sustainability, 14.13: 7812) 本論文では、物質的価値観と自発的簡素がシェアリングサービスの利用に対する態度と意図に与える影響を検討した。特に新型コロナウイルス感染症の影響により外出や移動が制限され、他者との接触も敬遠される異例の状況を勘案して検討を行った。750名から集めたデータを構造方程式モデリングで分析した結果、相反する消費行動をもたらす物質的価値観と自発的簡素が、シェアリングサービスへの態度と利用意図を異なる面から促すことがわかった。 2.「スキルシェアにおけるプラットフォーム品質・満足・態度的ロイヤルティの関係」(經濟論叢, 196.4: 57-70) 本論文では、シェアリングサービスのプラットフォーム品質(サービス品質と安全性品質)が、スキルのプロバイダーとユーザーの満足度、並びに態度的ロイヤルティ(推奨意向とロイヤルティ意向)に与える影響を検証した。スキルの提供経験者(n=92)と利用経験者(n=188)から各々集めたデータを部分最小二乗構造方程式モデリングで分析した。その結果、一部の群間相違はみられたものの、概してプラットフォーム品質は満足を経由して態度的ロイヤルティに影響を与えた。したがって、スキルシェアでは品質とロイヤルティの直接的な関係は比較的弱く、満足度の媒介要因として組み込んだ逐次的な因果モデルが高い説明力を持つことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共有経済における共同消費(collaborative consumption)の先行要因と結果について多角的に検討することができたが、消費者ウェルビーイングや経験値等を反映した調査・分析が必ずしも予定したスケジュール通りに進まなかった。 研究期間を再延長いただいたので、残りの研究課題を全うしたい。
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今後の研究の推進方策 |
再延長を許可していただき、2023年度が研究課題の最終年度となる。今後はこれまでの研究成果を踏まえつつ、価値観とライフスタイルが商業的なシェアリングに基づく共同消費(collaborative consumption)と生活満足度に与える影響、並びにそのメカニズムについて検討する予定である。そのために、インターネットを活用して幅広い消費者からデータを収集し、概念モデルを定量的に検証するアプローチを採る。
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