研究課題/領域番号 |
19K01970
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
齊藤 嘉一 明治学院大学, 経済学部, 教授 (50328671)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ソーシャルメディア / いいね / フォロー / 投稿スタイル・マッチング / プロファイル・マッチング / 属性マッチング / 社会的紐帯 / レビュー有用性 / いいねボタン / いいね意思決定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,消費者情報処理の観点から何がいいねを生み出すかを明らかにする。いいね意思決定プロセスの鍵要因は,(1) 外部情報としてのクチコミ,(2) 内部情報としての社会的紐帯,(3) 心理的コストの大きさを規定する受信者の心理的特性である。このような整理に基づいて,属性マッチング仮説(自分が過去に投稿したクチコミと類似したクチコミにいいねしやすい),および社会的紐帯による調整仮説(社会的紐帯を持つ他者よりも,見知らぬ他者が発信したクチコミのいいね意思決定において,属性マッチングはより大きな効果を持つ)を設定し,これらを検証する。
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研究実績の概要 |
本年度は,昨年度までに行った日本のSNSとアメリカのクチコミサイトのデータを用いた実証分析を大幅に改善し,また新たな分析を追加的に行った。これらの成果を論文にまとめ,学会誌に投稿した。現在査読中である。 改善した点・追加した点は,以下の3点にまとめられる。一つ目に,いいね意思決定とフォロー意思決定を個別にモデル化するのではなく,2変量プロビットモデルとして同時にモデル化したことである。新たな提案モデルを用いた場合でも,「自分が過去に投稿したクチコミと,本文の長さ,感情価,絵文字,写真などの属性がよく類似したクチコミに対して,よりいいね/フォローしやすい」という投稿スタイル・マッチング仮説と,「自分と年齢や居住地といったプロファイルがよく類似したメンバーが投稿したクチコミに対して,よりいいね/フォローしやすい」というプロファイル・マッチング仮説が支持された。二つ目に,AIによる画像認識の精度の問題に対応するために,写真のマッチング効果の頑健性をチェックしたことである。その結果,被写体の次元圧縮技法や,AIが提案する確信度が低い(つまり,AIが被写体についての確実な判断ができない)写真を扱う方法を変更しても,写真のマッチング効果は頑健であることが示された。第三に,推定値を用いてWhat-If分析を行い,投稿スタイル・マッチングとプロファイル・マッチングはいいね確率とフォロー確率の両方を大きく高めることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
観察的研究については,順調に進展してきた。実験的研究は,コロナの影響もあって遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在査読中の論文について,観察的研究のさらなる積み重ねを求められた場合には,別のSNSデータを用いて追試を行う。また,実験的研究を計画・実施する。
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