研究課題/領域番号 |
19K01987
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中條 祐介 横浜市立大学, 国際商学部, 教授 (40244503)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | CVC / コーポレート・ベンチャー・キャピタル / 非財務情報 / 財務報告 / ディスクロージャー / オープンイノベーション / 自発的開示 / 中期経営計画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)投資に関する包括的な実態調査と、その開示行動と情報効果について分析することを目的としている。具体的な調査項目は、①日本企業におけるCVC投資に関する実態調査、②CVC関連情報の開示に関する実態調査、③ CVC関連情報による効果の検証、④CVC関連情報の開示が促進される要因の検証、⑤CVC関連情報の開示モデルの提示である。本研究により、日本企業のCVC投資によるイノベー ション促進活動の実態を明らかにするとともに、この種の活動をいかに開示して行くべきかを考察し、最終的には今後の企業の情報開示のあり方にも示唆を与えていきたい。
|
研究実績の概要 |
令和5年度において本研究課題を解明するために実施した取り組みは、大きく以下の2点である。 第1は、分析用のデータベースの作成である。収集にあたっては、有価証券報告書および決算短信におけるCVCないしコーポレート・ベンチャー・キャピタル(「・」なしも含む)をキーワードに、情報を整理した。特に2020年前後から記載の増加が確認できる。 第2に、先行研究の文献渉猟を進め、検証すべき仮説の整理を行った。第1の仮説は、CVC開始からの経過期間とCVCパフォーマンスの関係性の確認である。近年では、我が国においてもCVCの組成が増加しているが、時間の経過に伴う学習や当該事業分野におけるイノベーションや成長性が重要な影響を及ぼすからである。第2の仮説は、CVCパフォーマンスと業種の関係性である。海外の先行研究では、北米においては、ICTセクターでは正の関係がみられるものの、ヘルスケアセクターでは統計的な証拠は見つけられていない。我が国におけるCVCパフォーマンスと業種特性は重要な論点といえる。第3の仮説は、CVC投資と財務パフォーマンスand/or戦略的パフォーマンスの関係について検証する。財務パフォーマンスについては、売上成長、トービンのQ、財務比率、株式リターンを想定する。一方の戦略的パフォーマンスについては、特許、出版物等、新製品、研究開発の集中度、ソーシャルメディア等への露出度といった非財務指標を想定している。そのうえで、CVC投資は、財務パフォーマンスと戦略的パフォーマンスのいずれに効果的なのかという点を明らかにしていく。この点では、CVC投資の主な理由として、65%が戦略的パフォーマンスを上げる研究もあり(MacMillan et al., 2008)、企業の狙い通りの成果を上げているのかは重要な検証課題である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本務校において平成31年度より令和5年度まで理事・副学長の職についておりましたが、令和5年度は設置団体からの運営費交付金の大幅減額に対する対応に忙殺されるとともに、文部科学省各種支援事業への申請対応により、研究時間を確保することができませんでした。 そのため、令和5年度における本課題への取り組みは、データベースのアップデートと先行研究などの参考文献の渉猟を進める程度しかできませんでした。 本課題採択時には想定していなかった業務増加により研究の進捗が遅延してしまいました。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度末をもって理事・副学長の職を退任したので、研究時間については大幅に確保できる見通しが立っています。 研究の基盤となるデータベースについてはほぼ完成しているので、多少のアップデートの必要性はあるものの、検証に着手することができます。 また、検証すべき仮説についても整理できているので、本課題の完成に向けた態勢は整えることができたと考えます。
|