研究課題/領域番号 |
19K02000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
中島 真澄 文京学院大学, 経営学部, 教授 (90249219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 経営者倫理観 / 利益の質 / 印象管理理論 / テキスト分析 / 不正検出 / ナラティブ情報 / 難解化仮説 / 不正のトライアングル理論 / 経営者意識 / トーン / 会計不正 / CEOレター / 誠実性の原則 / 印象管理 / 財務ファンダメンタルズ / MD&A情報 / 裁量行動 / ガバナンス / テキスト・マイニング分析 / アーカイバル分析 / サーベイ調査 / 経営者の裁量行動 / 経営者倫理 / 不正のトライアングル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、会計情報だけではなく、非財務情報を用いて会計不正予測研究を構築してきた。それは、会計不正の予測が投資者、監査人、規制当局の各契約支援機能の目的達成に有用であるとともに、企業側に対しては会計不正関与の牽制として働くと考えたためである。しかしながら、アーカイバル研究には制約があり、実際の経営者意識を引き出して会計不正を究明する必要があると思い至った。そこで、本研究では、サーベイ調査回答結果に依拠して経営者意識を算出し、その数値化された経営者意識がどのように会計情報に影響を受け、結果としてMD&A情報にどのように反映されていくのか検証し、会計不正発生のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、第1に、不正のトライアングル理論が財務諸表不正を説明可能かを検証し、分析の結果、インセンティブ/プレッシャー、機会、態度/正当化の要因が、財務諸表不正の発生可能性に影響を与えることが示唆された。 第2に、経営者倫理やインセンティブ/プレッシャーが利益の質に影響を与えるかどうかを検証し、経営者倫理観は、利益の質に有意かつ正の影響を与え、インセンティブ/プレッシャーは、有意に負の影響を与えることが明らかとなった。 第3に、ナラティブ情報のテキスト分析を実施した結果、難解度に有意差があることから、不正企業は投資者をミスリードさせる目的で可読性を低下させている可能性があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、経営者が会計不正に関与するまでの心理や、正当化ファクターと会計不正や財務報告の質との因果関係については分析することが困難であったが、本研究は、会計不正の発生原因、再発防止策という学術的問題を解決するため、サーベイ調査とアーカイバル分析とを融合させ、現実の経営者の心理や行動を数値化し、不正理論と関連づけた因果関係を解明することができた。 また、これまでのナラティブ情報研究は、難解化仮説を検定する印象管理理論に基づいて蓄積されてきたが、本研究は、コミュニ―ション的行為理論に依拠して不正企業および非不正企業のナラティブ情報と財務ファンダメンタルズとの関係性を提示することができた。
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