研究課題/領域番号 |
19K02012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松尾 貴巳 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80316017)
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研究分担者 |
新井 康平 大阪公立大学, 経済学研究科, 准教授 (30550313)
上田 英一郎 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(教授) (40360036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 業績管理システム / ヘルスケア組織 / 医療品質 / 管理会計 / 原価計算 / 病院管理会計 / 医療組織 / 経営管理 / 医療安全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、医療組織の業績管理システムについて、診療科ごとの業務特性、診療チーム、医師個人に焦点を当てた新たな業績管理の枠組みを研究、開発しようとするものである。病院では、すでに多様な管理システムが導入されている。しかし、医師が強い自律性、権力、自由裁量を持っており、組織的なコントロールが機能しにくく充分に管理できているとは言い難い。そこで、本研究では、組織や医師の個別性に着目し、業績管理の要素と医療の質や心理的要素の分析を通じて、組織、個人の個別性を考慮した管理モデルを開発し試行的に組織に実装することで、組織の持続可能性と医療の質の向上に貢献しようとするものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、医療サービスの質にとって重要な影響を及ぼすと考えられる安全性に関わる組織文化(Safty Climete)の促進と、医療組織の持続可能性にとって重要な組織業績を両立させるための経営管理システムについて、診療チーム、医師個人に焦点を当てた新たな業績管理の枠組みを研究、開発することにある。本年度は、昨年度に続きCOVID-19の影響により協力予定病院における実証研究が実施できなかったため、過去の実証研究で収集していたデータを活用し、マネジメントコントロールと心理的安全性に関わる分析を行い論文としてまとめた。これまでの研究で、安全文化の構築においてマネジメントコントロール・システムが有用であること、各システムが安全の各因子に正負それぞれの影響を及ぼしていること、診断システムやインタラクティブコントロールが補完的な影響力をもつこと、信念システムや境界システムが有効であること、安全に関する管理レベルを高めることが、安全風土や安全意欲の向上につながるものの、必ずしも安全行動にはつながらないこと、安全行動につなげるためには、財務・非財務の業績管理においてコミュニケーション重視型の情報活用を行うことが重要であることが解明できた。ただし、当初の研究目標を達成するには、医療安全に関わるレポーティングシステムの状況、ヒアリハット、インシデントの管理を考慮した分析が必要であり、これについては、追加的分析が必要である。調整の結果、ようやく病院を対象とした実態調査が可能となり、研究倫理審査委員会に研究計画の申請を行い受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OVID-19の影響により、予定されていた大阪医科薬科大学附属病院内における医師へ調査を実施できない状況が続いたため、診療科別の特性に応じた業績管理のあり方を検討するための十分なデータを得ることができていない。2023年5月から感染症分類が5類に移行したが、外部からの調査を受け入れることについては消極的な状態が続いた。しかし、ようやく病院側の協力を得られる状況となったため、2024年度に研究が実現可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度中に大阪医科薬科大学での調査、また、神戸赤十字病院に対する調査を行い、その研究成果をとりまとめ論文執筆を行う予定である。期間延長最終年度のため、2024年度中に調査を終了したい。
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