研究課題/領域番号 |
19K02016
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
上野 雄史 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40405147)
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研究分担者 |
柳瀬 典由 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50366168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リスク情報 / リスクマネジメント体制 / 事業等のリスク / ESR / 非財務情報 / リスク / ERM / 気候関連リスク / リスクへの対応策 / 企業価値 / 価値関連性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、財務報告とERM(全社的リスクマネジメント)とを結びつけるフレーム ワークを提示することにある。近年の研究でERMが企業価値・企業業績の向上に寄与してい る実証結果が提示され、ERMが有用な戦略ツールであるとの認識が一般的になりつつある。 ERM構築の有用性に関するエビデンスは示される一方で、非財務情報としての検証は乏しい。財務報告における非財務情報の重要性が相対的に高まる中で、ERMの非財務情報としての位置づけは定まっていない。本研究ではERMの価値関連性を検証し、非財務情報としての有用性ならびに開示の在り方を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では日経225および生命保険会社のESR開示データを活用しながら、本研究の目的である非財務情報としてのリスク情報の有用性、リスクマネジメント(ERM)との関係性を検証した。結果を総括すると、事業等のリスク情報については情報の量が拡大しているものの、質を保障するには至ってはおらず、リスクマネジメント体制との関連性を見出すことは容易ではない。リスクに関する非財務情報の有用性を見出すことは困難であり、記述情報の限界性が確認された。ただし、ESRのような定量的な情報については、経営活動との関連性させる傾向も確認できたことから、情報の定量化が重要である。ただし、どのように保障を行うかが重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究期間において、コロナ禍となり、リスクの考え方が大きく変わり、求められるリスクマネジメント体制も変化した。国際的な気候変動開示フレームワークも形成され、統一化の方向へと大きく舵が切られた。本研究は、拡充するリスク情報の取り扱いについて検証する端緒であり、リスク情報をはじめとした非財務情報は、財務情報との連携と保障が重要であることを明らかにすることが出来た。今後は、気候変動だけではなく、包括的なリスク情報のフレームワークが、他の非財務情報とも統合されて行きながら形成されていくと考えられる。当然、企業は、自社内で統合的なリスク管理体制(ERM)を構築し、対応が求められることになろう。
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