研究課題/領域番号 |
19K02024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
山田 純平 明治学院大学, 経済学部, 教授 (00407206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 資本会計 / 純資産(資本)の部 / 資本制度 / 監査制度 / 会計基準 / 国際会計 / 監査市場 / 財務会計 / 資本概念 / 利益概念 / Non-GAAP指標 / 事例研究 / 会計不正 |
研究開始時の研究の概要 |
過去十余年にわたる会計基準の改革から明らかにされたのは、各国ごとの市場で国際的に統一化された会計基準を適用することがいかに難しいかという点である。そこで本研究では、新聞記事や会計不正事例を題材として、日米で会計基準の適用がどのように行われているか、その環境と関連付けながら検討を試みる。より具体的には、市場関係者は個別の会計基準をどのように評価・対応しているか、2つの国の会計にそれぞれどのような特徴があるかについて検討する。これらの検討は、会計の基礎概念に遡った理論的な分析を行いながら進める。最終的には、日米の財務諸表を深く読むうえでの注意点を示すようなケースブックの出版を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、資本会計に関する論文2点(「純資産(資本)の部の国際比較」『会計』2022年11月、「英国資本制度改革と会計基準」『経済科学』2023年3月)と監査制度に関する論文1点(「監査市場の集中度と監査報酬」『明治学院大学産業経済研究所年報』2022年12月)を公表した。 前者の資本会計のうち、「純資産(資本)の部の国際比較」では、日本基準・米国基準・国際基準の3つの会計基準に従った場合の純資産(資本)の部の比較検討を行っている。純資産(資本)の部は、会計基準の考え方が現れるだけではなく、各国の資本制度を通じた法制度と密接に関連しているため、完全な統一化は難しい。本論文では、会計基準や法制度の考え方の違いの一端を明らかにすることができた。また、「英国資本制度改革と会計基準」では、とりわけ資本制度の改革が進められている英国を題材として、現状の資本制度とその問題点について検討した。そこでは、国際基準を取り入れた結果、会計利益と分配可能利益との間に齟齬が生じたため、分配規制が複雑化していることを明らかにした。さらに、英国の資本制度改革が今後どのような方向に向かうのかについても整理を行った。 後者の監査制度では、とりわけ日本の監査市場で大手監査法人の寡占が問題とされていることから、監査法人の寡占化と監査報酬の関係性について調査した。そこでは、大手監査法人が4社から3社になったときに監査報酬がどのように変化したかをみている。その結果、両者には関係性がないことを明らかにした。本論文は、海外ジャーナルに投稿している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍での研究活動が続き、当初予定していた研究計画を大幅に変更せざるをえなくなった。当初は、国内外の会計専門家にインタビューをしたり、あるいは専門家を招いて研究会やシンポジウムを開催することを予定していた。ところが、コロナ禍で人の行き来ができなくなったため、それらの活動を断念せざるを えなくなった。 その代わりに、国内で入手できる資料から海外の制度改革やその実施状況を調査し、オンラインでの研究会に参加するように努めた。また、海外ジャーナルの投稿も行った。しかし、日米の会計基準を適用状況を調査するという点では、やや遅れているといわざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も海外からの研究者を招くことは難しいと考えられるので、オンラインでインタビューをしたり、研究報告をすることを通じて、本研究をまとめる方向で進めていきたい。具体的には、資本制度、監査制度などが日米の会計基準適用にどのように影響を与えているかについて考察し、それらを論文として公表することとしたい。とりわけ、米国の資本制度や監査制度に関する調査を進めたい。また、これまで行ってきた研究テーマのなかから、海外ジャーナルに投稿を試みたい。
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