研究課題/領域番号 |
19K02036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
五十嵐 泰正 筑波大学, 人文社会系, 教授 (80451673)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ビルオーナー / 地権者 / 民泊 / 都市社会学 / コミュニティ / まちづくり / オーバーツーリズム / 上野 / リノベーション / 公共性 / 不動産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、貸しビルオーナーおよび彼らにテナントを紹介する不動産業者が都市空間に及ぼす影響の大きさを鑑み、彼らの街への意識やテナント選定の意思決定がどのような要因によって形成されるのか、まずは予備的研究として東京都上野地区を対象地として質的に分析する。加えて、物件の区分所有者までもが事業者となる民泊の増大という、都市の流動化と空間的な不可視化を飛躍的に高めている現状にも着目し、地域の人々の民泊への意識を計量的に調査する。
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研究成果の概要 |
ビルオーナー層への聞き取り調査によって、東京・上野地区の一部のビルオーナーは、自身の不動産経営の観点のみならず、地域の価値向上に配慮したテナント選定を行い、そうした意識は「コミュニティの語り」として表現される一方で、ビルオーナーの私権であるテナント選定は外部からの介入が難しいまちづくり最大の課題であり、地区内部に多様性を抱える上野では、通りごとにどういったテナントが価値向上に繋がるのかは大きく異なるとも認識されていることが明らかになった。 コロナ禍におけるビルやマンションの区分所有者に浸透する民泊利用の減少は、台東区民に歓迎されており、従前よりオーバーツーリズム意識を持っていたことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、空間/居住/営みの共同性やコミュニティ、の三者の重なりが自明ではない流動的な現代の都市において、貸しビルオーナーという居住も生業もないにもかかわらず、往々にしてコミュニティを支えている存在に注目することの必要性が確認された。また、ビルオーナー層のテナント選定行動に着目することは、地域の価値向上を考える上での焦点であることが確認され、おもにまちづくり領域に対する社会的示唆が大きいことが見出された。 一方、コロナ禍で民泊利用が激減したことが多様な地域住民に歓迎されていることを明らかにしたことは、コロナ禍後の観光復興過程においてオーバーツーリズム状態に戻らないことの重要性を示し得た。
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