研究課題/領域番号 |
19K02054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
人見 泰弘 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (10584352)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 難民 / ビルマ(ミャンマー) / ポスト難民期 / トランスナショナリズム / ディアスポラ / 出移民政策 / ビルマ系難民 / 民政移管 / 家族 / 国際社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
世界各地で祖国を逃れた難民が本国への帰還を求めている。しかし本国帰還が可能になったとき難民が実際にどう対応するのかは充分に明らかにされていない。本研究は祖国の民政移管を受けて帰国が可能となった滞日ビルマ(ミャンマー)系難民の移住過程を解明する。迫害の恐れから解放され本国帰還が可能となり始める「ポスト難民期」という社会変動を設定し、受け入れ国日本と難民流出国ビルマ双方での研究からビルマ系難民の移住環境の質的変化をつきとめる。ビルマ系難民の移住過程を戦略的事例と位置付け、難民状態の「終結」に向かう構造的要因を解明し、他の難民の移住戦略の分析や難民政策の立案にも応用可能な学術的基盤の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
難民の本国帰国の可能性が広がり始めた「ポスト難民期」において、難民はいかなる移住戦略を発達させるのか。滞日ビルマ系難民の事例からは、1つに移住者と非移住者とを区分する帰国者アイデンティティの形成が見られたこと、2つ目に難民家族が日緬両国で家族構成員の配置を再考していること、3つ目に出移民国側では海外同胞の経済・政治的影響力を考慮したディアスポラ政策を展開していることを明らかにし、難民の移住過程が帰国をめぐり複層的な水準で大きく変化していることが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じ、「ポスト難民期」と概念化した本国への帰国可能な移住条件がもたらす難民の移住過程への影響を、複層的な水準から実証的に明らかにすることができた。難民を帰国できないものと固定化することなく、新たな移住戦略の展開可能性を見通す研究成果が得られたことは大きい。他方で、2020年の軍事クーデターの発生から「ポスト難民期」の脆弱性も明らかとなり、再び帰国可能性が狭まる「再難民期」と捉えることで、難民の移住過程の長期的な展開をさらに追及していく。
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