研究課題/領域番号 |
19K02056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岸 政彦 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (20382004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 沖縄戦 / 生活史 / 社会学 / 沖縄 / 沖縄戦後史 / ライフヒストリー |
研究開始時の研究の概要 |
沖縄社会の生成と変容を、沖縄の戦後史を体験した個人の生活史から描き出すことが本研究の目的である。これまで沖縄戦体験者の語りは、戦時経験だけに限定されることが多かった。しかしここでは、戦前からはじまり、沖縄戦での生き残り経験から戦後に至る人生の語りを収集し、沖縄社会の戦後の継時的な構造変容を、個人の生活史から分析する。 沖縄戦と戦後の社会変容のなかで、これらの「沖縄的なもの」が歴史的に構築されてきた。この歴史的な社会の生成と変容のプロセスを個人の側からみることで、個人的経験と社会構造とのリンクを明らかにできるだろう。
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研究実績の概要 |
沖縄社会の生成と変容を、沖縄の戦後史を体験した個人の生活史から描き出す。これが本研究の目的である。数十人の沖縄戦体験者から、戦前から沖縄戦と占領期を経て今日にいたるまでの生活史を聞き取る。これまで沖縄戦体験者の語りは、戦時経験だけに限定されることが多かった。しかしここでは、戦前からはじまり、沖縄戦での生き残り経験、復興期の生活再建の物語、復帰前の高度成長期における生活戦略、そして今日に至る人生の語りを収集し、沖縄社会の戦後の継時的な構造変容を、個人の生活史から分析する。沖縄社会は、日本本土とは異なる規範や慣習を色濃く残している。それは基本的には、前近代的な血縁・地縁関係に基づく規範と慣習である。このような社会が、いかにして成立し、維持されているだろうか。沖縄戦とその後の復興の時期は、いちど社会規範が解体された時代だった。この社会解体と、そこからの復興と成長のなかで、これらの「沖縄的なもの」が歴史的に構築されてきた。この歴史的な社会の生成と変容のプロセスを個人の側からみることで、個人的経験と社会構造とのリンクを明らかにできる。このような観点から調査を行ってきた。
コロナの感染がまだまだ続くなか、沖縄県座間味村にて沖縄戦経験者を含む数名の高齢者の方に、沖縄戦と戦後の生活史を聞き取ることができた。その結果は(他の予算から)報告書にまとめ、現地の方々へも還元できた。そのほか、生活史調査や戦後沖縄史などに関する文献資料も収集した。全体としてまずまずの進展となったと思う。
本科研費の調査研究成果物として、共編著『生活史論集』(ナカニシヤ出版)を出版した。また、書籍『沖縄の生活史』の編集作業も終了し、2023年5月に出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
22年度についてはまずまずの進展となったが、やはりそれまでのコロナ感染の影響で、研究計画全体としては遅れが目立つ結果になっていると思われる。ただ、すでに沖縄戦経験者への聞き取りは70名を超えていて、研究成果のまとめに入る時期でもある。その意味ではほぼ計画通りとも言える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度が最後ということもあり、これまでの調査結果をまとめる作業に集中したい。
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