研究課題/領域番号 |
19K02059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
金 雪 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90795551)
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研究分担者 |
林 梅 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20626486)
玄 善允 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (80388636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 移住エスニック / アイデンティティ / 在日中国朝鮮族 / 定住化 / 対応力 / コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
現在、日本も欧米に並ぶ本格的な「多文化社会」になっているが、社会的排外性が相変わらず根強い。では、そうした排外性による日本における数々の軋轢・葛藤を乗り越えて、 多文化主義の理念に基づく新たな国民文化を創出することは可能だろうか。 本研究はその問いに答えようとするもので、在日中国朝鮮族を事例に、エスニック集団の日本への移住・定住過 程における対応力(≒生活実践)とアイデンティティの変容を明らかにすることを目的とした。要するに、困難を乗り越えて暮らしを営むにあたってエスニック集団が発揮する自立性、そしてそれが他集団およびホスト社会である日本に及ぼす影響を問う試みである。
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研究実績の概要 |
今年度の研究業績として、まず、『金時鐘は在日についてどう語ったか』(玄善允)、「金時鐘とは何者かー<自分・在日語り>の済州篇―」(玄善允)の研究発表があり、「『文化の客体化』論の再検討――中国少数民族地域の観光化を事例に」(林梅)の研究論文がある。 次に、昨年度に引き続き、2019年に行った「在日中国朝鮮族の生活実態に関する調査」などの結果に基づいて、日本における移住エスニック集団の定住過程における「対応力」について、学会での共同研究者発表である。越境移動した人びとがホームランドから持ち込んだ民族や国民にまつわる意識を、移動先の状況に即して変容させながら、よりよい未来へ向けて試みる諸種の実践の様態の内実の検討である。そうした生活実践の解明は、日本における日本人をも含む多様な民族もしくはエスニック集団の検討に外ならず、その延長上には多文化・多民族の共生に向けての実践的提言が展望される。 ここでいう「対応力」とは、生存や自己実現、さらには生き甲斐を目指しての人間的諸活動のことであり、ここではエスニック集団が定住過程における矛盾や衝突を回避・緩和して生活条件の向上のための実践のプロセスのことである。そうした共通の目的の下に、在日朝鮮族研究学会2023年全国大会本では、共同研究者の3人がそれぞれの研究領域に絞った形で、第一に、「朝鮮族芸術団体活動が朝鮮族社会形成に及ぼす影響」(金雪)と題したメディアの役割と影響、第二に「在日朝鮮族一世の後続世代に関する展望・期待」(玄善允)と題した次世代問題、第三に、「移民の家族観の変容―在日中国朝鮮族の老親扶養を中心に」(林梅)と題した移動一世の老人扶養の問題に関する報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による移動制限以降は、調査実施を予定通りに進 められなくなった。 特に、新型コロナウィルスによる移動制限が長引くなかで、海外調査はキャンセルするしかなかったが、国内移動が緩和された際には、1:1の対面的インタビューを実施したり、緊急事態宣言のなかではオンラインを利用した調査を実施したりと、工夫を重ねて調査を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
国内・海外訪問調査を実施すると同時に、現地資料を収集するとともに、各研究機関の研究者と交流する。 他方、オンラインで可能な調査を実施すると同時に、これまでの調査内容を本研究の目的に合わせて研究報告書を作成する作業も進める。
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