研究課題/領域番号 |
19K02062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東北文化学園大学 (2022) 広島国際学院大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
崔 博憲 東北文化学園大学, 現代社会学部, 教授 (60589373)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | タイ山地民 / 移動民 / 移住労働者 / グローバル化 / マイノリティ / 移住労働 |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化する現在、かつて移動によって国家と資本の「余白」を生き抜いてきたタイ山地民たちのなかから、周辺労働力として国境を越えて新たな移動をする者が増加し始めている。本研究は、こうした現象に注目し、タイ山地民がグローバルな労働市場にどのように参入し、あるいは組み込まれているのか、移住労働は山地民社会のあり方にいかなる影響をあてているのか、また彼/彼女たち自身は新たな移動をどのように意味づけているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
前年に引き続き、新型コロナウィルスの感染拡大によって国内外での調査を予定どおり行うことができなかった。ただし、2022年度の後半から徐々に移動制限の緩和や調査地・対象者から受け入れ許可が進んだことで、十分ではないにせよ日本国内とタイでの調査をそれぞれ実施することができた(当初実施を予定していた韓国や台湾等での調査はできなかった)。 日本国内では、主に関東地方と九州地方で働く山地民出身のタイ人労働者への聞き取りを行った。聞き取りから新型コロナウィルスの感染拡大以外にも円安や日本の外国人在留制度の変更が日本で働く彼ら・彼女らに働き方や選択に具体的な影響を与えていることが分かった。また山地民出身者に限らず日本に働きに来るタイ国籍者の動向が、韓国の外国人労働者の受け入れ状況と少なからず相関していることも確認できた。 年度末に行ったタイ、チェンライ県での調査では、当初予定していた規模で実施できなかったが、複数の村落での聞き取りを通じて、タイの山地民による日本を含めた外国への移住労働熱が高まっていることを確認した。とりわけ韓国へ働きに行く/行った者が2010年代後半から急増しているが、近年は英語圏に働きに行く者も出始めている。外国への送り出しを行う企業やリクルーターへの聞き取りからも外国への移住労働を目指して応募する山地民の数や割合が近年高くなっている実態を確認した。 こうしたグローバルな移住労働は国民化の契機であるとともに、マイノリティ集団として生き延びる契機にもなっている点についても、地地域や他のマイノリティの事例を参照しながら検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大により、予定していたタイ、韓国、台湾等での海外調査や日本国内での調査を当初の予定どおり実施することができなかったため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はタイのカウンターパートと連絡をとりながら現地の動態を把握しつつ、これまで行えなかった深度で現地調査を行う。日本国内ではタイの山地民出身者への聞き取りをを継続する。また可能であれば、台湾もしくは韓国で働くタイ山地民への聞き取り調査も行う。最終的には、タイ山地民の移住労働の実態をまとめて本研究の成果として社会化したい。
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