研究課題/領域番号 |
19K02065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (40388723)
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研究分担者 |
石田 淳 関西学院大学, 社会学部, 教授 (40411772)
清水 裕士 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60621604)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 数理社会学 / ベイズ統計モデル / 資産分布の不平等 / 所得満足度 / プロスペクト理論 / 統計モデリング / ベイズモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
社会学・心理学・経済学の三分野を横断する人間行動に関する実証的一般理論をベイズモデリングによって創造することである.そしてこの一般理論により,所得や教育達成に代表される社会的資源の不平等分配メカニズムと,配分された資源に対して人々が形成する公平感,相対的剥奪感,主観的満足感を個別にではなく,統合的に説明することである.
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研究実績の概要 |
代表者の浜田は本研究プロジェクトが進める社会学理論と統計モデルとの統合の基本的アイデアを展望論文(「数理モデルはなぜ必要か--理論と実証の対話」『理論と方法』37巻1号:2-17)として刊行した.この論文では,実証的社会学研究における経験的一般化と理論の違いと数理モデルが理論において果たす役割を再確認し,ベイズ統計モデルによる数理モデルの実証が,理論と実証の統合を進めるうえで効率的な方法の一つであることを構造推定との比較から示した.また相対的剥奪モデルの実験データによる検証を再検討し,2014年に刊行した論文で用いたz-Treeによるオンライン実験環境をPythonをベースにした汎用的な環境(O-tree)へ改良し,離れた場所に位置する被験者がウェブ上で同時参加する準備を整えた. 分担者の石田は,今年度は社会学理論と統計モデルとの統合の一つの事例として,社会的カテゴリーの記述モデルとして,ファジィ集合論を用いる手法の開発を進めた.とくに,人びとの認識上のエスニック・ナショナル・アイデンティティの重層性を記述するために,ファジィ集合間のファジィ包含関係が推移律を満たす程度を測定する推移性指数を提案し,その特徴について議論した.さらに,ファジィ集合モデルとベイズ統計モデリングの接続可能性について検討した. 分担者の清水は.態度測定の公理的測定論を構築した。態度測定は、心理学ではリッカート法が使われる中、その測定の基礎づけについては十分行われていない。そこで清水はLuceの選択公理と命題論理を結びつけることで、命題によって測定される態度測定の数量化の基礎付けを行った。さらに、その理論に基づいて実際の態度測定を行うための統計モデルを提案し、ベイズ統計モデリングを用いて実データへの適応も可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各担当が新しい理論モデルの定式化を進め,統計モデルのプロトタイプ実装と実験データ収集環境の整備を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
オンライン実験データの収集および,理論研究の成果(TvLmodelの解析的一般化)を査読付き学術誌に投稿する.
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