研究課題/領域番号 |
19K02069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鶴田 幸恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (00457128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | トランスジェンダー / インタビュー / 概念分析 / 活動家 / 会話分析 / アクティヴィズム / アーカイヴ / アクティヴィスト / 性別規範 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、トランスジェンダーの活動家にインタビューを行い、インタビューを対面的相互行為として捉え、その相互行為の場で参照される性別規範に焦点を当てる。トランスジェンダーの活動家は、トランスジェンダーにかかわる知識を、どのように配列し大衆に示しているのか。それを記述することで「トランスジェンダーがいかなる現象として理解されるのか、その理解に社会的な性別規範がいかにかかわっているのか」を明らかにする。
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研究実績の概要 |
トランスジェンダー現象とは、「カテゴリー間の差異や類似性を語りながら、カテゴリー同士をマッピングすることで、アイデンティティを理解可能にする実践の記述」であり、それは「新しい分類が生まれては、書きかえられ、消えていくというループ効果」であり得るとする前年度までの研究成果に対して、それらがどのようなものであるのかを検討した。その検討は、これまでに自分が行ったトランスジェンダーの活動家へのインタビューを、分析し直すことにより行われた。具体的には、インタビュー・データの分析から、2000年前後、2010年前後、2020年前後の3つの、トランスジェンダーの下位カテゴリーの概念地図を描くことを試みた。 次に、カナダにおけるトランスジェンダーに関するカテゴリーの使用について、特にブリティッシュコロンビア州の1970年代くらいから近年までの、トランスジェンダーに関する新聞記事や雑誌記事、リーフレットなどの紙媒体の資料のコレクションから把握することを試みた。それによって、自分が記述していることを、「日本のトランスジェンダー現象」として位置づけられるかを検討した。 また、上記の3つの概念地図を描く中で、インタビューにおいて語られる性別規範や、それが形作る性別二元制というものの位置づけが、この20年間でずいぶん変化している、ということがわかった。それがどのようにしてなのかを、「自分が何者であるかを理解可能にする語り方」の変遷として、記述した。それらについて、経過を学会で報告し、全体像を招待講演で取り上げた。今後は、それらの記述から、「日本社会における性別規範の変容の仕方」を具体的に描くことを試みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビューをオンラインでするのには、限界があると判断したため、新しいデータを収集するという点では、進展が遅れているが、「日本社会における性別規範の変容の仕方を具体的に描く」ことの可能性に接近できたため、概ね順調とする。
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今後の研究の推進方策 |
インタビューデータをビデオデータとしても、エスノメソドロジーや会話分析の手法で分析するために、コロナ禍でマスクをしないインタビューがどのように可能かを模索しながら、インタビュー調査を行い、データの分析を進める。
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