研究課題/領域番号 |
19K02072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
鈴木 健之 立正大学, 文学部, 教授 (90310234)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 核家族 / タルコット・パーソンズ / 二核家族 / より離婚 / コンスタンス・アーロンズ / ロイ・ロジャーズ / よい離婚 / 結婚 / 離婚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「核家族」概念と「二核家族」概念を比較検討しながら、それぞれの概念化について理論社会学的・知識社会学的解明を行うものである。「これ以上分割できない」という意味で「核」(nuclear)家族と名付けたT・パーソンズに対して、コンスタンス・アーロンズとロイ・ロジャーズは、アメリカにおいて増大する離婚について、離婚した家族を「二核」(binuclear) 家族と名付け、パーソンズの「結婚」の社会学に対して「離婚」の社会学を展開してきた。本研究では、パーソンズの「核家族主義」がアーロンズとロジャーズによってどのようにして相対化されていったのかについて、知識社会学的・理論社会学的考察を行う。
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研究成果の概要 |
本研究において、第一に、タルコット・パーソンズの「核家族」概念とコンスタンス・アーロンズとロイ・ロジャーズの「二核家族」概念にかかわる諸著作・諸論文の精読を行った。パーソンズの「核家族主義」がアーロンズとロジャーズによっていかにして相対化されていったのかを知識社会学的・理論社会学的考察をとおして明らかにすることができた。第二に、アーロンズ本人と彼女の関係者へのインタビューを行った。これらのインタビューをとおして、離婚研究を専門とする社会学者アーロンズ、家族問題の相談を受けるファミリーセラピストアーロンズ、南カリフォルニア大学時代の教育者アーロンズという三つの顔を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に、パーソンズの「結婚」から始まる<家族論>に対して、アーロンズ=ロジャーズの「離婚」から始まる<家族論>を対置することで、パーソンズの<家族論>に入り込むセクシズムを明るみにすることができた。また、男女の結婚・パートナーシップに限定されるアーロンズ=ロジャーズの<家族論>に入り込むヘテロセクシズムを明るみにすることができた。さらに両者の超克をめざす「クィア―家族論」の可能性を示唆することができた。第二に、アーロンズの「離婚の社会学」とファミリーセラピストとしての実践が日本において離婚問題を考える際に重要な理論的かつ実践的な示唆を与えるものであることを明らかにすることができた。
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