研究課題/領域番号 |
19K02075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2023) 大阪大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
高谷 幸 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (40534433)
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研究分担者 |
鄭 幸子 岡山大学, グローバル人材育成院, 准教授 (20770001)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 多文化 / スーパーダイバーシティ / エスニック境界 / 大阪 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、多様性がより増大する大阪市M地区を対象に、質的調査を通じ、エスニック境界の再編の動態と境界の機能を明らかにすることを目的とする。 歴史的に在日コリアンが集住してきた大阪は、多様性に富む都市として発展してきた。さらに近年は多様な国からの移住者が増加し、外国人観光客も急増している。本研究は、この状況を「スーパーダイバーシティ」として捉え、その実態を明らかにした上で、既存の支配的なエスニック境界がいかに再編され、新たな境界とともにどう機能しているかを分析する。 これは、差別の実態を地域レベルで明らかにする社会的意義やエスニシティ・移民研究において「集団」概念を問い直す理論的意義ももつ。
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研究成果の概要 |
本研究は、大阪市を対象に、質的調査を通じ、エスニック境界の再編の動態と境界の機能を明らかにすることを目的として行われた。歴史的に在日コリアンが集住してきた大阪では、近年、より多様な背景の移民が増加し、一部地域は「スパーダイバーシティ」と呼びうる状況にある。 当該地域での調査から明らかになったことは、エスニック境界の緩やかな再編である。例えば以前は、日本人と在日コリアンの間に、強固なエスニック境界が引かれていたが、現在はむしろ、日本人・在日コリアンは、新規移民との間に差異を見出している傾向がみられる。つまりエスニック境界は、国籍やエスニシティ以上に、居住歴等によって引かれていると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的的意義として、主に以下の二点をあげることができる。第一に、これまでの日本における移民研究では、エスニシティや民族関係が固定的なものとして捉えられがちであったことに対し、本研究は、エスニック境界という概念で地域社会の民族関係を分析し、それが固定的なものではなく、文脈に応じて動態的なものであることを明らかにしたことである。第二に、地域研究は、定住化した移民を扱いがちであるが、本研究では流動性の高い移民も対象にし、多様な背景をもつ移民の共在状況に着目した。その上で、この地域が歴史的に移動性を含みこんだ場として形成されてきたことを指摘できると考えている。
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