研究課題/領域番号 |
19K02081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
前山 総一郎 福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (80229327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 都市内分権 / ネイバーフッドカウンシル / まちづくり協議会 / コミュニティ / エリアマネジメント / 都市サービス / タコマ市 / シアトル市 / 住民自治組織 / シアトル / タコマ / ロサンジェルス / 社会サービス / 自治 / 都市ガバナンス / 民主主義 / ハウジングオーソリティ / 住宅政策 / 政策機能 / ホームレス / コロナウイルス / 避難所(シェルター) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米国諸都市の都市内分権制度であり、日本の「まちづくり協議会」と制度上類似(条例設置等)とされる「ネイバーフッドカウンシル」(neighborhood council)のダイナミクス(動態相)を、J.ベリーらにより提起され一般化している「民主制論」(市民参加の器の側面を強調する視点)の制約を越えて、ダイレクトにつかみ出そうとするものである。 そのために、本研究計画では、特に、米国諸都市の「ネイバーフッドカウンシル」が「都市政策と都市ガバナンスに与える実際的影響力とその機能」の実相を、現地調査(ヒアリング調査)、自治体諸計画の検討、政策確認等による「政策分析」を通じておこなうものである。
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研究成果の概要 |
米国の「ネイバーフッドカウンシル」制度の,都市政策とガバナンスに対する影響と機能を解明する目的から,現地調査とヒアリング,政策分析(ホームレス),類似制度(レジデントカウンシル)との比較,制度を廃止した都市の事例研究をおこなった。その結果,同制度が機能する都市では有効な接続・自治体への提言・自治体との呼応が確保されており,多方,古びたと否定的な評価が起こる都市の場合では制度廃棄を含めてその地位低下が起きることが判明した。類似制度との比較の研究から, 民主制度論に重心を置いて設置された米国の同制度に目下,内包される制度的脆さという制約が判明した。また都市サービスのかかわりでの可能性も示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に, 米国のネイバーフッドカウンシル制度と自治体の連携と運用の実態について、政策機能分析の視点から初めて明らかにする研究となった。 第二に, 「民主制度論」や「力」を重視する設立思想からの, ネイバーフッドカウンシル制度の特有な脆弱さ(評価の極端な変動)と崩壊の可能性が存在することが判明した。対して, 住民に密着した「都市サービスへのコミット」(増加したホームレス問題への関与など)が制度の維持運営に有効であることも示された。 政策機能分析の視点から, 民主制度論を超えて、ネイバーフッドカウンシル制度が有効で持続可能に展開するための指針も示唆され, 日米の学会に新たな知見と視点を提供した。
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