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「小農の復権」に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02084
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関専修大学 (2020-2023)
跡見学園女子大学 (2019)

研究代表者

つる 理恵子  専修大学, 人間科学部, 教授 (20227474)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード小農 / 集合知 / 農山村イノベーション / 村のしくみ / 村の創造性 / ポスト農業時代 / 越境者 / 信頼貯金 / 現代の小農 / 生業(なりわい) / 仕事の組み合わせ / 持続可能性 / 定常型経済 / 小農の復権 / 農業の近代化 / 市民皆農 / 農の担い手 / 暮らしの思想 / グローバル化 / 根っこ
研究開始時の研究の概要

現代の小農は、深化するグローバリゼーションの下、圧倒的に巨大なアグリビジネスの支配が広がる中、そこからある距離を取り、別のやり方で持続可能な農業・暮らし・農村社会を目指そうとする存在である。本研究は、こうした新たな動きに関するジェンダー論をベースとする農村社会学からのアプローチである。

研究実績の概要

2023年度は、小農学会の新たな歩みに向けた動きに注目した。2022年夏に共同代表であった農民作家の山下惣一さんが亡くなった。その後、偲ぶ会が開かれるなど、山下さん無き後、小農学会の会員それぞれ、会自体がどのように受け止め、今後の展望を描くのかが重要な点となるであろうと考えた。
実際、山下さんは稀代の論客として、またユーモアと知性溢れる魅力的な人柄は、多くの人々を惹きつけ、またそれぞれが抱えるもやもやをすっきりと表現してくれる存在として、本当に頼りにされた人であった。しかし、小農学会の活動を見る限り、小農学会も会員たちの多くも、小農として生きること、小農が現代社会にある意義を見失うことなく、日々を重ねている。2023年には西の山下惣一、東の星寛治と並び称された星さんも亡くなり、時代が確実に移ってきていることをうかがわせた。
世界的には、小農・家族農業評価、またアグロエコロジーの推進が打出される等、小農・家族農業には追い風が吹いているが、日本の農業政策は、以前としてそれらと逆行するような農業近代化路線、科学技術偏重である。しかし、農山村の現場ではオルタナティブな動きが確実に広がってきている。新たに農業を志向する人々の多くは、有機農業、自然農法を求め、農山村への移住者たちは半農半X的な暮らしを始めている。これもまた、EUの農業政策および社会政策において近年注目されている、social innovationの具体化したものである。
2023年12月には、本研究の成果の一部として、日本村落研究学会の大会テーマセッションを企画・実施した。それをもとに『年報村落社会研究 60集 農山村イノベーション ーポスト農業時代の農の活かし方』(2024年10月刊行予定)を執筆編集中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度はコロナもだいぶ落ち着き、かなり自由にフィールドワークを行うことができるようになった。

今後の研究の推進方策

2024年度は最終年度であるので、関連学会にて本研究のまとめとなる報告を行う予定である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「越境」する人々と「信頼貯金」 ー地域おこし協力隊OB・OGの語りからー2024

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子
    • 雑誌名

      専修人間科学論集 社会学篇

      巻: 14巻2号 ページ: 1-10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代版「草鞋親」への着目 ー現代農山村の自己変革を捉える視点ー2023

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子
    • 雑誌名

      岡山民俗

      巻: 244 ページ: 45-61

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「移住者と共に暮らしを繋ぐムラ ―大分県中津市耶馬溪町下郷地区―2022

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子
    • 雑誌名

      『季刊 農業と経済』

      巻: 夏号 ページ: 35-44

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「他の選択肢もある」という現実の把握とその提示から2021

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子
    • 雑誌名

      有機農業研究

      巻: 13巻1号 ページ: 21-21

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 有機農業と現代の小農・家族農業の関係を問う:論点提示と研究課題2021

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子
    • 雑誌名

      有機農業研究

      巻: 13巻2号 ページ: 2-11

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 複合して生きる暮らし -現代における小農の社会的特質-2019

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子
    • 雑誌名

      『年報 日本村落社会研究』特集 小農の復権

      巻: 55集 ページ: 89-123

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 現代版「草鞋親」への着目2023

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子
    • 学会等名
      岡山民俗学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 農山村イノベーション ーポスト農業時代の農の活かし方ー2023

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子
    • 学会等名
      日本村落研究学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「越境」する人々と「信頼貯金」2022

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子
    • 学会等名
      西日本社会学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 趣旨説明「有機農業と現代の小農・家族農業の関係を問う」2020

    • 著者名/発表者名
      つる理恵子
    • 学会等名
      2020年度日本有機農業学会社会科学系研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 「『他の選択肢もある』という現実の把握とその提示から」2020

    • 著者名/発表者名
      つる理恵子
    • 学会等名
      2020年度日本有機農業学会大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 有機給食スタートブック2023

    • 著者名/発表者名
      靍理恵子・谷口吉光編著
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      農山漁村文化協会
    • ISBN
      9784540221255
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] よくわかる地域社会学(山本努編著)2022

    • 著者名/発表者名
      靏理恵子「Ⅶ 暮らしと生業・小農」(執筆:128-141)
    • 総ページ数
      231
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093533
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 『有機農業大全』に所収(「第7章 多様な農の担い手」)2019

    • 著者名/発表者名
      小口広太・靍理恵子
    • 出版者
      コモンズ
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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