研究課題/領域番号 |
19K02085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 上智大学 (2023) 目白大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
平野 寛弥 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (20438112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 関係的自律 / エージェンシー / エンハンスメント / 行動変容 / シティズンシップ / コンディショナリティ / 行動変容アプローチ / 社会政策 / イギリス / ユニバーサル・クレジット / 社会的権利 / 行動経済学 / 社会政策(social policy) / ユニバ―サル・クレジット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,2010年以降のイギリスの保守党政権下の社会政策を分析し,それがもたらした社会的シティズンシップの変容を明らかにするとともに,行動変容を促す政府の戦略と手法(行動変容アプローチ)の実効性とその使用に関する倫理的・技術的問題を検討するものである. そしてこの作業を通じて,行動変容アプローチがシティズンシップ,およびその主体である人々のエージェンシー(主体性)に与える影響について考察することをめざす.
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研究実績の概要 |
本研究課題そのものはすでにほぼ終了しており,今年度は本研究課題に関するこれまでの研究活動の成果発表の一環として,個人の合理性やエージェンシー,それらを行使して実現される自律に関連して生じる想定される課題を検討することについての論文を執筆する作業を行った. 具体的には,関係的自律の構想に根ざした個人のエージェンシーのあり方やそれが実現するための条件を探るとともに,AI(人工知能)の発達や身体改変技術の普及など,自律を促進しうる社会環境(エンハンスメント環境)の出現がもたらす諸問題について検討した論文と,関係的自律の構想に対する懸念として指摘されてきた個人のエージェンシーへの制約や阻害,さらには個人の自律の侵害についても,外部からの介入が許容されるための条件を検討した論文を執筆し,国内外の学会誌に投稿した.そのうちの一つは掲載決定済み,もう一つは査読中の段階にある. これらの研究成果は,行動変容を促す制作手法(行動変容アプローチ)の倫理的許容可能性を実践的関心から検討したものであり,社会政策の有効性を高めることにも貢献しうるものである. さらに,行動変容アプローチと新自由主義の関係性についての検討の一環として,アメリカの政治理論家であるW.Brownの議論を手がかりに,近年のイギリスの福祉政策に見られるコンディショナリティの強化と,新自由主義がもたらした市民の「責任化(responsibilization)」の関係を検討した論文も執筆し,現在の本務校の所属学科紀要に投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の成果発表の一環として,個人の合理性やエージェンシー,それらを行使して実現される自律に関連して生じる想定される課題を検討することについての論文を執筆した. 具体的には,関係的自律の構想に根ざした個人のエージェンシーのあり方やそれが実現するための条件を探るとともに,AI(人工知能)の発達や身体改変技術の普及など,自律を促進しうる社会環境(エンハンスメント環境)の出現がもたらす諸問題について検討した論文と,関係的自律の構想に対する懸念として指摘されてきた個人のエージェンシーへの制約や阻害,さらには個人の自律の侵害についても,外部からの介入が許容されるための条件を検討した論文を執筆し,国内外の学会誌に投稿した.そのうちの一つは掲載決定済み,もう一つは査読中の段階にある. 以上の進捗状況から,本研究課題はおおむね順調に進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
現在査読過程にある論文を完成させ,学会誌での掲載を目指す.
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