研究課題/領域番号 |
19K02094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 立正大学 (2022) 活水女子大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
石川 由香里 立正大学, 文学部, 教授 (80280270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 社会関係資本 / 子育て / 地域 / パンデミック / 保育所・認定こども園 / 女性の就労 / 地域社会 / 新型コロナ / 仲間づくり / 幼児期 / 地域関係 / 保護者 / インタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
特定の園での参与観察を通じて、子どもが友人として選好する相手、その頻度といったネットワークを明らかにする。そして仲間意識といえるものがどのくらいはっきりとみられるのか、規範の形成を観察する。そしてそのことが、一般的信頼につながっているのかについても併せてみていく。さらにそうした子どもたちの関係性が、親同士の関係性につながっているのか、それとも親同士のつながりは作られないままなのか、そうだとすれば何が阻害要因となっているのかをインタビュー調査を通じ、明らかにする。その際、プライバシーの保護には十分配慮するとともに、対象者へのインフォームド・コンセントを徹底する。
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研究実績の概要 |
今年度は、2021年に長崎市内の保育所並びに幼保連携型認定こども園計14か所の協力を得て実施した、保護者を対象とした調査データを分析し、論文化した。その結果、子どもの幼少期における母親の社会関係資本形成において、コロナ禍の影響は、やはりパンデミック後に入園したと想定される第1子が2歳児未満の子どもを持つケースに対し、非常に大きかったことがわかった。また、子どもを通じた関係性づくりを補完するものとして、インターネットを通じた情報収集やSNSを通じたつながりが模索され、個人的相談相手としては学生時代の友人というパンdネミック以前に作られた関係性がより頼りにされる傾向にあった。三世代同居が少なく、また10年前の調査と比較して、町内会、子ども会など地域とのつながりは格段に薄くなっていた。したがって子育て中の母親の孤立感・孤独感を緩和するうえで家族外とのつながりはより重要なものとなり、子どもを通じて知り合った友人の数が多いことはそれにプラスに働く。しかしその点において、パンデミック後に入園した子供の母親は非常に不利益を被っていたといえる。 また、コロナ禍以前におこなったインタビューにおいて出会った、地域をつなぐキーパーソンとなっていたインフォーマントに再び連絡を取り、その後の状況についてインタビュー調査を実施した。そこからは、彼女自身、子どもの年齢が上がったこともあって母親ネットワークの中から離れてしまったこと、また個人的にはお年寄りへの声掛けなどもされているものの、地域全体としては世代を超えた関係づくりが壊滅的な状況であることが語られていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であるならば完了しているべき研究であったが、コロナ禍によって調査の実施そのものが難しかったことに加え、研究者本人の異動もあり、研究機関延長の申請を行った。しかし、質的調査の一部、量的調査については研究成果となる論文をそれぞれ提出することができたことから、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症拡大前に行ったインタビュー調査と、パンデミック後ではどのように社会関係資本の在り方が変化したのかについて、さらに追加調査を行いたいとかんがえている。そして昨年度行った追加分も軸に、インタビュー調査の分析を完了させ、論文化することをまずは優先する。
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