研究課題/領域番号 |
19K02098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清水 洋行 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (50282786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サード・セクター / NPO / 地域集団 / 中間支援 / フィールド / 地域社会 / 食支援 / 食料支援 / プラットフォーム / Meals on Wheels / 食支援活動 / こども食堂 / 寄付食材 / 中間支援組織 / コミュニティ論 / 社会運動論 / 地域社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、各地域での市民活動団体の形成や変容が、それらの全国的な集合であるサード・セクターの構造・変容にどのように関わるかを明らかにすることを目的とする。具体的には、サード・セクターを構成する一つのサブ・セクターとして、「老人給食」団体によって構成されてきた「食支援」セクターを位置づけて、それが近年各地での「こども食堂」の急激な増加を受けて、自らを変容させつつ存続する過程とそのメカニズムについて社会学的に考察する。分析にあたり、全国レベルの中間支援組織が各地の「老人給食」団体と「こども食堂」団体に対して「食支援」活動として再カテゴリー化を図る取り組みと、各地の団体による対応に焦点をあてる。
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研究成果の概要 |
全国の食支援活動を対象とするアンケートから以下の点がわかった。①コロナ禍において、社会的効果よりも経済的効果を重視する「こども配食」「フードパントリー」で新たな活動がより多く生まれた。②「こども食堂」「こども配食」「フードパントリー」は、「老人給食」と比べて非定型的な性格が強い傾向にある。③企業等からの寄付食材・食品の流通経路には、地域のルートと中間支援組織のルートがあり、後者はより広域的で多様な主体で構築されている。南オーストラリアでの調査より、豪州と対比すると日本では、meal serviceからfood reliefへの移行や、前者による後者の活動の創出などに特徴があることがうかがえた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域集団論やサード・セクター論において長らく「地縁型」と「テーマ型」が主な対比軸となってきたが、コロナ禍における食支援活動の展開から、それらの定型的特質に対して、新たに形成された小集団の非定型的特質を把握するとともに、それら小集団の創出や存続可能性の条件を、集団単位ではなく、小集団の創出に随伴して構築された寄付食材・食品の流通経路というシステムに求め、その特徴を捉えた。理論的には、アーリのモビリティ論を援用しつつ、この集団とシステムを含む集合体を、セクター横断的にさまざまな主体が共通のissueをめぐって境界変動的に構築される「フィールド」とみなすことで、地域社会の変動論の展開を試みた。
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