研究課題/領域番号 |
19K02102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
永谷 健 三重大学, 人文学部, 教授 (50273305)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 昭和戦前期 / 経済エリート / 格差 / 社会問題 / 歴史社会学 / 殖産興業 / 経済統制 / 職業威信 / 実業エリート / 国家 / 大衆 / テロリズム / 転向 / 社会学 / 社会変化 / 格差問題 |
研究開始時の研究の概要 |
戦前の日本は「超格差社会」であったことが知られている。本研究は、昭和戦前期における個人間の所得・資産の格差の拡大とそれに関連する社会問題に注目し、それらに対する問題解決行動が、いかなる主体により、いかなる方法で行われたか、その結果、戦中・戦後において、いかなる社会変化が帰結したのかを考察する。そのため、当時、頻繁に論じられた貧富の格差、労働者の生活難、学卒の就職難、資本家と労働者の対立などの諸問題に関連する統計資料を収集し、二次利用可能な形にデータ化することで、戦前期の「格差」問題の全体像を把握する。また、それらの諸問題に対するキーパーソンたちによる問題解決プロセスを検討する。
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研究成果の概要 |
昭和戦前期における社会問題の解決プロセスのなかで着目すべきは、格差問題を解決する過程で、「国家的貢献」に価値を置く総動員体制が皮肉にも構築された点である。とくに経済エリートが営利主義のポリシーを手放し、統制経済を受け容れたことが重要である。このプロセスについて本研究では、次の諸点を明らかにした。1.経済エリートに対する当時の批判には反エリート主義の思想が含まれていた。2.財閥が行った対抗措置(「転向」)はエリートと大衆の境界消滅を目的としていた。3.境界消滅の企画が契機となって、彼らは国益中心主義を容易に受け入れた。4.このプロセスには、明治期以来の「国家的貢献」の思想が推進力となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
震災後に生起する社会問題への対処状況や所得格差が拡大する経済状況を示している点で、昭和戦前期は現代日本の行方を考えるための有益な歴史的素材である。また、本研究が注目する経済エリートは、営利主義から国益至上主義への思潮の急激な変化を説明するための鍵となる研究対象である。彼らが明治維新以降の国策に由来する営利主義のポリシーを手放して、統制経済を受け容れたことは、これまで軍閥・右翼の圧力や国益至上主義による思想的感化などによって説明されてきた。それに対して本研究は、蔓延していた反エリート主義の思潮への彼らの対応が営利主義から国益至上主義への反転を説明する重要な要素であったことを明らかにした。
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