研究課題/領域番号 |
19K02109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
櫻田 和也 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (70555325)
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研究分担者 |
吉村 智博 大阪公立大学, 都市科学・防災研究センター, 都市科学・防災研究センター特別研究員 (70599282)
原口 剛 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (40464599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 釜ケ崎 / 社会問題 / 寄せ場 / 近現代史 / アーカイブ / 釜ヶ崎 / アーカイヴ |
研究開始時の研究の概要 |
大阪市西成区の北東角を占める釜ヶ崎地域は近現代の日本における「社会問題」集積地点として、保健・衛生・犯罪・貧困・福祉・差別・暴動・労働・失業・住宅・野宿者問題など、あらゆる角度から、かつ継続的に社会的な注意を引きつけてきた。いま地域では、しかし厖大な歴史的資料が忘却・劣化・損失・散逸の深刻な危機にあり、これらを未来に資する釜ヶ崎史料アーカイブとして目録化することは焦眉の課題である。これを基点とした史料批判にもとづいて、従来の「寄せ場」研究史を再考のうえ、さらには縁辺的労働力を歴史の担い手として再発見してきた世界的な研究動向に照らして、これからの地域研究のあり方を構想する実践的な研究としたい。
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研究成果の概要 |
近現代を通じて「社会問題」の集積点として注目された大阪市西成区の旧字・釜ヶ崎に焦点をあて、地域史料アーカイブの構築を目指した。研究期間中は近現代資料集刊行会『昭和期の都市労働者 大阪:釜ヶ崎・日雇』の監修に注力し戦後編前期の配本を実現した。これは既刊の戦前期編につづく戦後前期の行政文書に加えて、運動史上の画期をなした全港湾建設支部西成分会の結成(1969年)から釜共闘・現闘委(1972年)結成期に至る期間の公表可能な一次資料を精選したものである。しかし刊行物に収録できたのは収集資料の一部に過ぎず現在進行形の課題も未だ多い。これを後継の研究課題に引き継ぐこととし、ここまでの進捗を学会報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
釜ヶ崎については戦後の社会病理学および労働経済学以来、学術的立場の変革を企てた解放社会学に至るまで、先行研究の蓄積は豊富にあった。しかし地域は今、あいりん総合センターの建て替え計画に至り「寄せ場」空間としての転換期をむかえる一方で、草の根の厖大な未公表史料が忘却・劣化・損失・散逸の危機に瀕している。この研究では、これらの「遺産」を未来に資する釜ヶ崎史料アーカイブとして目録化に着手し、戦後編前期までの復刻資料集を公刊することができた。さらに、戦後史の記録としての古写真アーカイブは文書資料の復刻にもまして社会的関心がたかく、歴史的意義を有する史料として地域で承継することが期待されている。
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