研究課題/領域番号 |
19K02112
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
黒嶋 智美 玉川大学, ELFセンター, 准教授 (50714002)
|
研究分担者 |
小宮 友根 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (40714001)
西阪 仰 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (80208173)
須永 将史 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (90783457)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 内部被ばく検査 / 原発事故 / 会話分析 / 相互行為 / 感情 / 知識 / 経験 / 知覚 / 医療面談 / 心配 / 責任 / 想定 / 納得 / 医師の職務 / 患者の責任 / 診療場面 / 福島県 / 医療社会学 / 視覚 / 科学技術社会論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,福島第一原発事故の影響下で暮らす住民と医療従事者らとの医療面談場面の会話分析研究である.具体的に,内部被ばくの検査結果を伝える面談場面において,来院者が抱える内部被ばくの可能性という恒常的な不安・心配,避難生活や生活条件の変化によるストレス,それに起因する慢性疾患等の健康問題がどのように語られるのかに着目し,原発事故後7年が経過した今観察される人びとの認識を相互行為から読み取る.即ち,実際の健康をめぐる相互行為における発話,身体,物理的環境,道具の使用などを詳細に分析し,原発事故による人びとの日常的営みや健康への影響が,災害復興期の現在どういう経験として知覚されているのかを解明する.
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、乳幼児対象の内部被ばく検査における検査結果を伝える診療場面の相互行為を会話分析の手法で分析し、医師と来院者らがどのようなことに志向し、この活動を達成しているのかその一端を明らかにした。また、COVID-19の感染拡大期に入ったため新たなデータ収集は中断し、原発事故の影響を受けた地域の子どもの日常についても研究を行った。具体的には、1)来院者自身の日常的な子育てについての質問は適切に心配しているように組み立てられること、2)共通経験、共有知識を前提に行為を構築する際、協働的な文構築が達成されること、3)対象物を見ることの時間的構成が特定の行為産出に用いられることを明らかに出来た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、未曾有の東日本大震災と原発事故で、放射能汚染の問題にさらされた住民と、その問題に専門家として従事している医師の相互行為を、特に乳幼児に対して行った内部被ばく検査結果の通知という特定の活動における相互行為の分析であるため、学術的意義も社会的意義も大変あるものであるといえる。同様の問題を扱った研究は、本研究チームのもの以外ではあまり例がなく、日本社会が初めて経験するような事象に、子育て世代の住民らはどのような把握を示し、問題意識を持ち、日々の生活を送っているのか、その一端を明らかにできた意義は大きい。
|