研究課題/領域番号 |
19K02114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
紀 葉子 東洋大学, 社会学部, 教授 (40246781)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 日系社会 / 言語資本 / 女性語 / 外来語 / 日本文化 / 日系コロニア / 日系ブラジル人社会 / ハビトゥス / 文化資本 / ジェンダー / 日本語 / コロニア語 / 日本文化の伝承 / 社会言語学 / 話し言葉 / 移民 / 言語文化 |
研究開始時の研究の概要 |
ブラジルの日系人が集まる地域を現地では「コロニア」と称しているがこのコロニアで用いられている主たる言語は日本語とポルトガル語が混交したコロニア語である。ブラジルの日系社会は日本から移民してきた人々による閉じられた空間であるかのように語られることが多いが、その作り上げてきた言語に見られるように現地の文化を積極的に取り入れる一面も認められる。日系コロニアの特徴ある文化をその言語に焦点を当てて社会学的に分析すると同時に、文字として残るコロニア文学と異なり、話し言葉としてやがて消えゆくコロニア語を記録に留めることを試みたい。
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研究実績の概要 |
コロナ禍における渡航制限によりブラジルにおける調査研究ができなかったため、実績を上げるどころか研究に着手することすら困難であった。渡航制限が緩和されることを期待して、現地調査が始まると必要になる機器備品の準備を進めること、仮説を精緻化するために文献史料を収集することに終始し、現地調査を行うことはできなかった。調査対象者が高齢であること、他者との対話のなかで不意に出てくる言葉遣いに重きをおいた調査であることから、webを用いての調査はなじまず、ただただ現地調査が可能になることを待ち続けるしかなかった。 ただ、同じく研究を進めたくとも進められないサンパウロ大学日本語学科のスタッフとの交流を深化させることができたことは唯一の実績といって良いだろう。お互いに対面での研究交流は難しくとも、電子メール等の媒体を用いることによって、実査の際の協力体制を含む具体的な調査計画の概要について情報交換を進めることができているので、実際の調査を進めること、調査結果のレビューを得ることは容易になっていると言える。 「女性語」が対話状況で用いられるのはもっぱら文化的な集まり、特に、踊りや歌のサークル活動に限られ、送出国である日本の現状と同様に使用者が少なくなっていることの検証と、日本語新聞の廃刊が相継ぎ、日本のニュースの多くを衛星放送やインターネットの動画サイトに頼ることが多くなった今、使用される外来語にどのような変化が見られるのかを現地での調査研究を通して明らかにする見通しが立っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で現地調査ができなかったことに尽きる。しかしながら、ブラジルにおける感染状況も落ち着きを見せ、また、日本においても5月の連休以降には緩和される見込みが立っていることから、ようやく時計の針が動き始めた状況であり、今年度には遅れを取り戻し、当初計画にあるような研究成果をあげるように努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
8月の後半から9月にかけて現地調査を行い、その結果を受けて仮説検証を行う。2月に再び渡伯し、サンパウロ大学日本語学科のスタッフからレビューを受け、調査結果を関連学会で報告後、ペーパーにまとめて公表することとする。
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