研究課題/領域番号 |
19K02115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90366831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 労働史 / 労使関係 / オーラルヒストリー / 日記 / オーラル・ヒストリー / 労働組合 / エゴ・ドキュメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日記や個人経験の語りの記録であるオーラルヒストリーを使って、戦後日本社会における、①文化・余暇や家庭も含めた労働社会(=労働と生活)、②「私事」を超えた領域での活動である「われわれ」の労働者意識について歴史的に把握することである。主に扱う歴史資料は、あるユニオン・リーダーの52年間の日記(中村日記,29冊)である。この資料を一般公開できるように整理しつつ、戦後労働社会の形成を読み解く。
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研究実績の概要 |
2023年2月に、梅崎修・南雲智映・島西智輝『日本的雇用システムをつくる1945-1995-オーラルヒストリーによる接近』(東京大学出版会)を刊行した。特に、この書籍の第3章は、近江絹糸人権争議に関する論文「「家族賃金」観念の形成過程」『社会政策』11 (3)を改訂したものである。新資料を読み直しつつ、研究結果を改訂することができた。 この研究では、戦後の家族観の形成と企業内における人事制度の設計を関連付けることができた。この分析が労働組合運動の家族観として提示できたことは研究上の価値があると考える。結果的に、戦後雇用システム史の中に近江絹糸の人権争議を位置づけることができたと考えている。 また、2022年度には、元UAゼンセンのユニオンリーダーのオーラルヒストリーを実施した。この口述記録を公開するために編集作業は続けている。2023年度の刊行を目指している。この口述資料を利用すれば、労働組合の組織運営に対する分析が進められる。社会意識の歴史については、日記分析と並行して取り組んでいる。但し、いまだ分析段階である。 さらに、社会政策労働史部会の世話人として全回参加し、雇用システムやサラリーマン文化史について、議論を深めることができた。雇用システムの歴史制度分析と、文化史研究は別々に発展しているが、その節合について考察を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
戦後労働史に関する書籍の刊行を行い、戦後労働史の展望を提示することができた。また、日記の執筆者である中村幸男氏が所属していた産業別労働組合である、全繊同盟(現UAゼンセン)のユニオンリーダーのオーラルヒストリーを継続し、公開できる状態に整理している。また、中村幸男日記の読解を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
日記資料を労働史の記述にどのように活かすかについては、現在検討中である。日記資料の中に貴重な情報はあるが、その情報をどのような解釈枠組みで分析すべきかを議論を続ける必要がある。
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