研究課題/領域番号 |
19K02117
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
羽田野 真帆 常葉大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (90635038)
|
研究分担者 |
照山 絢子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (10745590)
松波 めぐみ 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (80512607)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 障害のある教員 / 聴覚障害教員 / ろう教員 / 手話 / 障害学 / 合理的配慮 / チームエスノグラフィ / 聴覚障害のある教員 / 聴覚障害 / 教員のライフストーリー研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、聴覚障害のある学校教員の教職経験について障害学の視点から検討することを目的とする。障害学は「障害とは何か」という問いを追究する学問であり、障害を治療の対象とする捉え方(医療モデル)に対して、障害(disability)とは社会の側のバリアによって生み出されることを指摘した(社会モデル)。また「ろう文化宣言」(1995年)のように文化の視点から説明する議論も存在する(文化モデル)。 聴覚障害教員は、これら複数の障害観を背景に持つ社会変化を経験している存在である。そこで本研究ではこの文脈の複数性に着目し、エスノグラフィ調査によって彼らの職務経験を多角的に明らかにすることを目指している。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、障害学の視点から聴覚障害のある教員(以下、聴覚障害教員)の教職経験について検討することである。研究実施計画の2年目にあたる2020年度以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、計画していたフィールドワークやインタビュー調査の実施が困難であったことに加え、2022年度は研究代表者の体調不良により研究活動を中断せざるを得ず、期待された研究成果を上げることができていない状況である。 ただしその中で、聴覚障害教員や同僚教員を対象としたシンポジウムや研修会(いずれもオンライン開催)に参加したことで、限定的ではあるものの、聴覚障害教員を取り巻く状況について情報を得ることができた。特に、2016年の改正障害者雇用促進法施行以降、聴覚障害教員を取り巻く状況がどのように変わったのか(あるいは変わっていないのか)という点や、勤務している学校が、聴覚特別支援学校(ろう学校)なのか、それ以外の特別支援学校なのか、あるいは通常の学校であるのかによって教員に期待される職務内容や、教員をとりまく労働環境、そして利用可能な資源に違いがあるという点について理解を深めることができた。これらの情報は今後インタビュー調査を進めていく際の予備知識としても重要な意味を持つと考えられる。 最終年度となる2023年度は研究再開の見通しが立ったことから、これまでに収集した情報を踏まえながら、聴覚障害教員に対するインタビュー調査を対面で実施することを計画している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施計画の2年目にあたる2020年度以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、予定していた調査活動を遂行することができなかった。さらに2022年度は研究代表者の体調不良により研究活動を中断せざるを得ず、研究は大幅に遅れている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染対策を理由とした社会活動の制限が徐々に緩和されてきたことから、2023年度は聴覚障害教員を対象としたインタビュー調査を対面で実施することを計画している。集中的に調査を進めていく必要があることから、大学院生を一名、リサーチアシスタントとして雇用し、調査の実施にかかる事務手続きの補助を依頼する。また、本研究の特徴の一つであるチームエスノグラフィとしての側面を維持しながら、調査の実現可能性を高めるために、共同研究者の一部はオンラインで参加するなど、対面とオンラインを組み合わせてインタビュー調査を実施する予定である。
|