研究課題/領域番号 |
19K02126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
福岡 安則 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 名誉教授 (80149244)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ハンセン病 / 隔離政策 / らい予防法 / 偏見差別 / 家族訴訟 / 聞き取り / ライフストーリー / ハンセン病問題 / 強制隔離政策 / 無癩県運動 / 家族被害 |
研究開始時の研究の概要 |
2001年5月11日、熊本地裁で「らい予防法違憲国賠訴訟」の原告勝訴の判決があり、国は控訴を断念。当事者と厚労省の協議に基づき設置された「ハンセン病問題に関する検証会議」(2002年秋~2005年3月)の「検討会」委員に委嘱されたところから、私のハンセン病問題研究が始まった。以来、450人を越すハンセン病回復者、その家族、弁護士、療養所職員等からの聞き取り調査を実施してきた。それを通して、「強制隔離政策」による被害は、単に療養所への《隔離収容》だけではなく、《社会の中の居場所を奪う》ことでも生じていたことが明らかになりつつある。その研究の総まとめをしたい。
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研究実績の概要 |
2023年度は、基盤研究(C)研究課題「ハンセン病問題の最終局面に現前する諸課題への社会学的接近」の最終年度にあたる。この5年間はコロナ禍にわざわいされて、わたしのような根っからのフィールドワーカーにとっては受難の年月であったが、ジタバタするのを諦めて、これまでの調査の蓄積を最大限活かして、研究成果を文字に書き留め、ハンセン病問題をはじめとしてさまざまな社会的差別の問題に関心を寄せる人びとへの研究成果の社会的還元にひたすら努めることとした。 4月には、「偏見差別をなくしてほしい ハンセン病問題にみる人生被害」と題する月刊誌『部落解放』連載の第25回が最終回となり、ただちに単行本化の作業に入って、9月には『聞き取り もうひとつの隔離――ハンセン病療養所附属保育所に収容された子どもたちの人生』(解放出版社)として上梓できた。 さらに、一般社団法人千葉県人権センターの『月刊スティグマ』には隔月での寄稿を続け、また、(ハンセン病療養所)菊池恵楓園入所者自治会の月刊誌『菊池野』の2024年3月号からは、依頼によって「偏見差別とは何かを考え直す」の連載の寄稿を始めたところである。 また、日本解放社会学会内に組織された「ハンセン病問題研究会」の一員として、ハンセン病問題に関する計量的意識調査を実施、その成果を9月に関西学院大学で開催された第39回日本解放社会学会大会の「テーマ部会:ハンセン病問題の予備的意識調査」で、「ハンセン病に係る『差別的態度』の表出を支えているものは何か」と題して報告した。この意識調査研究の成果については、『熊本日日新聞』2023.8.28と『朝日新聞』2023.10.2(神戸版)で報道された。 以上、5年間の調査研究の最終年として、やれるだけのことをやり抜いたとの実感がある。
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