研究課題/領域番号 |
19K02130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
川北 稔 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (30397492)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会的孤立 / ひきこもり / 生活困窮者 / 8050問題 / 多職種連携 / 伴走型支援 / 自立相談支援 |
研究開始時の研究の概要 |
社会的孤立(無職やひきこもりなど)の長期化や高年齢化が指摘されている。本研究では、年齢を問わない生活困窮者の相談事業に注目して支援対象者の実態を把握し、40歳未満と40歳以上それぞれの対象者が抱える生活課題や支援の実績を比較しながら検討する。地域包括支援センター事例における要介護や認知症などに関する生活課題、30代までの子ども若者育成支援協議会の支援実態なども踏まえ、効果的な支援策を提示する。
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研究成果の概要 |
介護が必要な80代の高齢者と、中年で無職の子どもの双方について支援が必要となる世帯の事例が報告され「8050問題」として知られるようになった。これらの課題を単に「ひきこもりの高年齢化」などと理解するだけでは十分ではない。「ひきこもり」概念では多様な社会的孤立を論じえないことを批判的に検討し、広範な社会的孤立を検討しうる概念を彫琢する作業を進めた。同時に自治体の市民調査に際し、「ひきこもり」の実質とみなされてきた外出の欠如だけでなく、無業期間の経験、親元からの自立の阻害などを視野に入れた質問項目を作成した。調査の結果からは男女別・ライフステージによる孤立リスクの多様性が明らかになりつつある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会的孤立の課題は縦割り的な専門分野や行政組織のなかで、それぞれ断片的な視点から扱われてきた。精神保健福祉における「ひきこもり」、若年者の就労支援における「無業者」、高齢者の支援現場における「8050問題」などである。こうした把握方法が支援の盲点に陥る対象者を生み出している。特に思春期・青年期の心理的課題とみなされる「ひきこもり」は広範な社会的孤立を扱う概念として不十分である。多様なライフステージの課題に通じる社会的孤立の概念を彫琢し、社会的側面、心理的側面、生物学的側面に配慮しながらデータ分析を実施することで、若年者支援、障害、介護などの専門家による多職種連携を促進することが可能になる。
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