研究課題/領域番号 |
19K02134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
徐 阿貴 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (90447566)
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研究分担者 |
長谷川 和美 名古屋学院大学, 外国語学部, 講師 (90826562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 炭鉱 / 集治監 / 植民地 / ジェンダー / 囚人 / 労働編成 / 衛生 / 朝鮮人 / 炭鉱労働 / 女坑夫 / 帝国 / 人種 / 監獄 / 歴史社会学 / 強制労働 / 植民地主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は近代日本の炭鉱労働の編成にみる、ジェンダー、人種/民族(日本人、朝鮮人、中国人)、階級(部落出身者、囚人)の相関を、歴史社会学の手法を用い実証的に明らかにする。また炭鉱という空間を形作った越境的な結合や連帯の諸相にも注目する。帝国拡大とともに、炭鉱は法制度的に差異化された帝国臣民を労働力として段階的に吸収し発展した。技術革新や国際的労働基準、地域社会的文脈を考慮しつつ、日本帝国主義発展の動力源であった炭鉱における、帝国内で周辺化された労働力の統合過程で発動されたさまざまな差異化の力学に焦点をあて、フェミニスト労働研究、植民地/国内植民地論、帝国研究、国際労働移動論等に依拠して検討する。
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研究成果の概要 |
明治以降日本の炭鉱は帝国の拡大とともに、社会の周辺に位置付けられ差異化された人々を段階的に吸収することで発展した。本研究では、技術革新や国際的労働基準、地域社会等の文脈を考慮しつつ、日本資本主義発展の動力源としての炭鉱における労働編成において発動された、人種、ジェンダー、階級が相互に作用する力学を明らかにした。主として歴史社会学の手法を用い、植民地/国内植民地論、フェミニスト政治経済、国際労働移動論等に依拠して検討した。具体的には、九州の筑豊炭鉱の朝鮮人および女坑夫、および北海道幌内炭鉱の囚人労働を事例とし、①労務管理、②炭鉱関連の政策や世論、③炭鉱労働者の認識と体験、の局面から考察を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
差異化の相関(intersectionality)という、西欧の労働研究では標準になっている分析視点を援用することで、日本の炭鉱研究の発展に寄与する。第一に、炭鉱労働に従事する多様な社会的カテゴリーの相互関係を明らかにした。第2に、炭鉱労働における身体規律の考察から、「未熟練ゆえに低廉」とされる労働力および身分の形成について、戦前からの連続性と非連続性を通時的に捉える視野を提示し、現代日本における身分的な労働編成について歴史的な角度から知見を提供した。
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