研究課題/領域番号 |
19K02147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 島根県立大学 (2020-2022) 立命館大学 (2019) |
研究代表者 |
宮下 聖史 島根県立大学, 地域政策学部, 准教授 (70755511)
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研究分担者 |
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 人口減少社会 / 地方創生 / ライフスタイルの多様化 / 都心回帰 / 田園回帰 / 地元志向 / 地域自治 / 主体形成 / 地域おこし協力隊 / ライフキャリア / 地域協働 / 時間軸と空間軸 / 人口移動 / ポスト成長期の社会意識 / 主体形成論 / 自治の空間スケール / キャリア形成 / 「平成の大合併」 / 移住・定住 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、農山村地域の担い手として着目される地域おこし協力隊を取り上げる。第一に自治の空間スケールと協力隊員の活動形態の関連性を明らかにすること、第二に協力隊員のキャリア形成・ライフコースへの着目を通じて、農山村地域への人口還流の論理や条件を明らかにすること、この2点を主要な論点として研究を行う。 事例としては、町村が多く残る下伊那エリアと大規模合併を経験した北遠エリアを中心にヒアリング調査を行う。そのうえで全国規模での質問紙調査の実施を計画している。
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研究実績の概要 |
2022年度は、本研究の主要なテーマである「都市から農山村への人口還流と移住」に関する社会学的な知見を理論的実証的に深化させることができた。主な成果は以下の通りである。 1)1990年代に始まった地方分権改革、2010年代半ばからの地方創生、コロナ禍を経て地方創生を引き継ぐ形で始まったデジタル田園都市国家構想へと連なる一連の現代地域政策の特徴を通史的に整理し、批判的に分析した。これによって、本研究の主要テーマの背景となる社会構造と政策論理を把握し、研究の普遍性を担保する視座を獲得した。 2)これまで議論を重ねてきた人口減少に関わる社会理論の検討のうえで、都道府県ごとの人口の社会増減、自然増減の経年変化について、最新データを用いて分析し、市町村のケーススタディと合わせた構造的な実態把握を行った。 3)人口減少、過疎化に直面する地域・自治体における地域自治の仕組みづくりや主体的な実践について、島根県や長野県の事例研究を行った。 4)「ポスト成長期」の社会意識の変容に関連して、戦後日本社会の都市化過程における人々のライフスタイルと価値観を俯瞰し、それらを経て生み出されてきた「都市回帰」「田園回帰」と「地元志向」といった生活地域の選択に関する総合的な社会学的研究の視座の具体化を図った。 6)社会の多様化や流動化に関わって、地域や人々の自立(律)のあり方の諸側面について具体的に、また理念的に考察し、これらの理論化を図る道筋をつけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまでの研究によって、当該テーマに関わるマクローミクロの相互作用に着目しながら分析を進め、当該テーマに関わる知見を深めることができた。また人びとが具体的な地域・自治体において暮らすことの社会的意味を、マクロな人口動態のメカニズムと関連づけながら論じるなかで、「豊かな社会生活」やそのことに関わる主体形成の諸条件をより具体的に示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下の課題に取り組みたいと考えている。 1)これまでに実施してきた質問紙調査等について、テキストマイニング等の新たな分析手法の導入によりさらに分析を進めると同時に、長野県の地域おこし協力隊を対象とした新たな調査を行うことによって経年比較を行いたい。 2)主体形成の諸条件に着目しながら、「豊かな社会生活」の内実を掘り下げるためのヒアリング調査を行いたい。
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