研究課題/領域番号 |
19K02151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
中塚 朋子 就実大学, 人文科学部, 准教授 (50457131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 遺伝性疾患 / 薬害 / 血友病 / 医療社会学 / ジェンダー / 薬害教育 / 保因者 / 副教材 / 相互行為 / 医療 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、薬害HIV感染を経験した血友病コミュニティをフィールドとし、患者・家族・医療関係者などが行う「遺伝」や「薬害」に関する教育・啓発活動について検討する社会学的研究である。血友病が、「遺伝性疾患」であること、「薬害」を経験したことから、2つの観点から考察する。①人々は「遺伝性疾患」をどのように意味づけ、自己や他者を理解するのか。血友病患者に対する教育や血友病保因者に対するケアや支援の実践から、「遺伝」の意味について検討する。②人々は「薬害」の経験や歴史をどのように共有し、継承しようとするのか。薬害教育推進の教育資材の分析や、薬害研究資料館の設立に関する構想や取り組みについて検討する。
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研究成果の概要 |
(1)従来、「遺伝性疾患」として血友病の症状と遺伝に関わる問題は、「男性」である「血友病患者」と「女性」である「保因者」という性別(セックス)にもとづく非対称な性別問題(ジェンダーの非対称性)として常態化していた。だが、血友病コミュニティの動向を探ると、「血友病患者」概念と「保因者」概念の境界を問い直すかたちで、血友病保因者のケアや支援が推進されていることが明らかとなった。(2)また、血友病をめぐる「薬害」の経験や歴史の共有と継承は、血友病コミュニティ内部にとどまることなく、さまざまな薬害事件に通底する問題を浮き彫りにし、社会に働きかけるという方策を採用していたことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、薬害エイズ事件を経験した国内の血友病コミュニティに関わる人々が、「遺伝」や「薬害」をめぐる問題をいかにとらえ、教育・啓発活動を行っているか考察するものである。「遺伝」や「薬害」に関わる概念やその変容を検討し、その社会的・文化的意味を明らかにすることで、学術的な知見の蓄積や社会的な認識や価値の創造に寄与すると考える。
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