研究課題/領域番号 |
19K02160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
森口 弘美 天理大学, 人間学部, 准教授 (10631898)
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研究分担者 |
笠原 千絵 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (60434966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インクルーシブリサーチ / 知的障害 / 知的障害者 / ライフストーリー / ビジュアルナラティブ / 研究方法論 / ビロング / ソーシャルインクルージョン |
研究開始時の研究の概要 |
従来は研究の対象者であった障害当事者を、研究のプロセスに巻き込んでいこうとする参加型リサーチへの関心が高まっているが、知的障害者を共同研究者(Co-researcher)として研究のプロセスに位置付けるインクルーシブリサーチは、英語圏に比べて日本ではその蓄積が顕著に少ない。本研究では、インクルーシブリサーチの実践研究を学術的な観点から検証する。そして、当事者をめぐる課題を社会構造として捉えるインクルーシブな研究アプローチが、従来の研究方法とどのように異なるのか、また日本における福祉研究や政策形成にどのようなインパクトをもたらすことができるのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、知的障害者が共同研究者として研究のプロセスに参画するインクルーシブリサーチを学術的な観点から検証することをとおして、インクルーシブアプローチという方法論を提示することを目指している。 本年度は、研究分担者(笠原千絵)と共に取り組んだリサーチ①「しょうらいのくらし調査」、知的障害者のライフストーリーをビジュアルナラティブの考え方に基づいて表現したリサーチ③「ライフストーリーをマンガで発信」、さらに研究協力者(松田美紀)が2019-2020年度に障害者福祉事業所において取り組んだリサーチ活動、これら3つの実践的な取り組みの検証に着手した。 検討の結果、このたびの検証のプロセスにおいてもインクルーシブリサーチの考え方を取り入れることとし、「障害のある人たちとの研究活動(インクルーシブリサーチ)の検証」を立案した。そして、上述した3つの実践的な取り組みへの参加者に協力を依頼したうえで、相互の活動を紹介し合う発表会を実施し、当事者と非当事者のそれぞれに対してインタビューを行った。 「障害のある人たちとの研究活動(インクルーシブリサーチ)の検証」を立案する段階における議論や、障害のある協力者および障害のない協力者に対するインタビューをとおして、調査研究に当事者と共に取り組むプロセスにおいて研究者の側が留意すべき点や、それぞれのプロセスにおいてどのように取り組むことがインクルーシブなアプローチといえるのか等について考察を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、いくつかのインクルーシブリサーチ(実践的研究)を検証することで、インクルーシブアプローチという研究方法論を提示することを目指しているが、この検証のプロセスで障害のある当事者に協力を得ることとした。検証のための研究計画を改めて作成し、倫理審査を受審したうえで、当事者への説明等を行いながら進める必要があったことから、データの取得(実践的研究を紹介する発表会とインタビューの実施)までは2022年度中に実施できたが、データの分析やまとめは次年度に行うことになった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に障害のある当事者の協力を得て実施した発表会とグループインタビューのデータを、2023年度中に分析、考察する。検証結果については、まず、研究に協力した障害のある当事者にもわかりやすいパンフレットを作成する。そのうえで、学術的な観点も踏まえた論文にまとめる。
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