研究課題/領域番号 |
19K02172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
中嶌 洋 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (00531857)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 家庭養護婦派遣事業 / ホームヘルプ事業 / 竹内吉正 / 北欧視察 / 森 幹郎 / 小諸学舎 / 官民協働 / 森幹郎 / 小諸学舎運営指針試案 / 制度の狭間問題 / 幸福な人生(福祉) / Kさん / 第1回老人福祉文献賞 / 長野県社会福祉協議会 / 中村登代子 / 岡山孤児院 / 上田市社会福祉協議会 / E・L・Bates / 上田聖ミカエル及び諸天使教会 / 老人家庭奉仕員派遣事業 / 上田明照会 |
研究開始時の研究の概要 |
家庭養護婦派遣事業というわが国初の組織的なホームヘルプ事業について、その普及要因やその影響という面からアプローチする本研究は、従前のホームヘルプ事業史研究が示してこなかった諸点を解明するとともに、長野県という地域の実情に即した実証的・歴史的研究を一歩進めるものとなる。今後の社会趨勢や目まぐるしい制度改正などに対応しながら、新規事業・制度を創設・普及させるための背景・基盤とその影響を明確化するのに寄与する本研究こそ、社会福祉分野の歴史研究の手法を前進させるものであり、事業・制度の再考や新設において不可欠な視点をもたらすものと考えられる。
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研究成果の概要 |
竹内吉正が1971(昭和46)年11月に行った欧州ホームヘルパー活動事情視察の実態把握と その影響を実証的かつ具体的に明らかにした.1971(昭和46)年時に竹内が記した7種類の資料をKHCoderを用いて分析した.KHCoder分析の結果,「老人」「思う」などが頻出し,階層的クラスター分析では3区分,共起ネットワークでは5区分に分類できた.対応分析では「家族」「礼拝(教会)」「社協組織課長」が近接し,家庭生活や信仰生活による仕事への影響が認められた.視察の影響は一過性ではなくその後の省察や熟思が重要であり,記録物,講演会のほか,人間関係,宗教,団体の組織化などさらなる多角的検討が求められる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホームヘルプや施設介護を通じで行われるケアという行為は、通常「気遣い、気配り」などと訳されることが多いが、そもそもこの行為が軽視されてきた問題がある。さらに、「ケアはつねに権力が絡んでいる」ともされ、非常に政治的な面もある。こうした排他性や政治性がこれまでのケアにいったいどのような影響を与えてきたのかという問いへの探究は意味深い。本研究では、この大きな問題を解く前段として、ケアという社会構造的な問題をいったん歴史的に捉え直し、ホームヘルプ事業史という切り口から、その特質を考察し、その大きな問いを解明する糸口を見出すことに寄与した。
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