研究課題/領域番号 |
19K02188
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
|
研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
山田 勝美 山梨県立大学, 人間福祉学部, 教授 (70290640)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 社会的養護 / 家族に纏わる現実 / 自己の再定義化の課題 / 受けとめ / 生のいとなみの困難 / 施設入所児童 / 家族の現実 / 自己の再定義化 / 逡巡型モデル / 理解と支援 / 逡巡 / 施設生活の満足感 / 子ども / 虐待 / 家族理解 / かけがえのなさ / 覚悟 / 虐待を受けた子ども / 支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、虐待を受け、施設入所を余儀なくされた子どもたちが、親自身の抱える現実と向き合い、その現実を了解していくことが彼らの自立には欠くことができない必須の課題であることを明らかにする。さらに、了解に向けた支援を入所時から退所までの支援過程のなかで、いかに展開し、彼らの自立支援を図っていくべきかを、先駆的実践をしている施設職員および現在安定的な生活を送っている退所児童への聴き取り調査から明らかにしていく。
|
研究成果の概要 |
児童養護施設に入所する子どもの家族に纏わる課題を明確化しつつ、その支援のあり方を職員調査及び当事者調査を通して明らかにした。結論として、彼等の抱える家族に纏わる課題とは、自己の再定義化をめぐる課題であった。それは、①異質な自己、②不確かな自己、 ③存在意義の希薄な自己であった。支援としては、①存在レベルのの受けとめ、②行動レベルの受けとめ、③事実レベルの受けとめ、④時間レベルの受けとめが、連続して循環的に提供されることによって、自己の再定義化は可能となることがわかった。また、この受けとめを可能にするものは、子どもを思い逡巡するといった「逡巡型」モデルが受けとめを可能とすることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重篤な課題を抱えた子どもの入所が増加している児童養護施設において、より根源的に求められている支援とは何か、それが自己の再定義化という課題であること、また、職員による受けとめが、それを可能にすること。これは、今日の児童養護施設職員の日々のいとなみを可視化するものであり、また、その実践の意義をあらためて浮き彫りにさせたこと、そして、ケア論という意味でも、児童養護実践のもつ不確かさや曖昧さ、複雑さにあって、医療化や心理化が進行していると考えられる今日にあって、あらためて、求められる専門性についてその意義を唱えたという点において重要な学術的、社会的意義があると考える。
|