研究課題/領域番号 |
19K02202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
栄 セツコ 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40319596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精神障害者 / 病いの語り / エンパワメント / パーソナルメディスン / ヒューマンライブラリー / 多様性 / 共生社会 / 福祉教育 / ストレングス / ロジックモデル / 精神障害当事者 / 精神保健福祉教育 / プログラム評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、精神的不調を抱える子どもたちの生きる力を育む福祉教育の必要性と、精神障害当事者の病いの語りを生かした福祉教育の有効性を融合した、効果的なプログラムモデルの開発にある。 研究方法は、「精神障害当事者の語りを生かした福祉教育」を実践する組織・団体にアクションリサーチを行い、その参与観察からグッドプラクティスの要素を抽出し仮説モデルを作成する。そのモデルの精度を高めるため、同様の福祉教育を行っている組織・団体の協力を得て、仮説モデルの修正を図る。最終的に「精神障害当事者の語りを生かした福祉教育」の効果的なプログラムモデルを提示するとともに、他の障害等への応用可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は「精神障害当事者の語りを生かした福祉教育のプログラムモデル開発に関する評価研究をテーマとして、4か年の計画を立てた。今年度は、4年目にあたりフィールド調査をまとめモデル開発の評価を目標においた。主な活動の柱は、次の3つである。第一は、精神障害当事者の語りを生かした精神保健福祉教育のロジックモデルの作成である。背景の異なる5つの福祉教育活動について、各々のロジックモデルを作成した。ロジックモデルを示すことで、多様なステークホルダーが関与する活動の手順が明確となり、福祉教育活動に着手ことが容易になった。第二は、社会変革に向けた精神障害当事者の語りを効果的にする福祉教育教材づくりである。コロナ禍のなかで、対面授業が難しい状況が続きDVDを作成し、実際に一つの中学校で採用された。DVDは多くの児童・生徒に標準化された資料として使用できるというメリットがある。第三は、社会変革に向けた精神障害当事者の語りの試みとして、ヒューマンライブラリーの実施がある。文献研究を行いながら、リカバリーカレッジ名古屋の講座のなかで、ヒューマンライブラリーを実践しながら、従来の講義形式との比較を通してヒューマンライブラリーの対話の可能性について学会発表ならびに論文としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、当事者の語りに焦点をあてヒューマンライブラリーの実践をその発祥の地であるデンマークに赴き視察することを計画に組み込んでいた。しかし、2022年度も新型コロナ感染症が世界的に収束せず、計画通りに視察することができなかった。また、福祉教育のフィールドワークについても、コロナ禍前のように、学校に立ち入ることができなかった。その分の活動について実行できなかったことから「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のなかで、活動の制限はありながらも、ヒューマンライブラリーの文献研究を行うとともに、リカバリーカレッジ名古屋等の協力を得て、ヒューマンライブラリーを実践することができた。また、複数の福祉教育プログラムモデルをまとめることもできた。しかし、当事者の経験に基づく語りが福祉教育や地域福祉の実践にいかに応用できるのかについて整理することができなかった。 そこで、研究期間を1年間延長し、精神障害当事者の語りを生かした活動について新たな知見を得るために、ピアサポートの大家であるペンシルバニア大学からF.ソロモン先生を招聘し研究会を開催する予定である。
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