研究課題/領域番号 |
19K02224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
沈 潔 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (20305808)
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研究分担者 |
趙 軍 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (30301831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 日中社会政策 / 政策移転 / 留学生教育 / 社会事業 / 中国と日本 / 河田嗣郎 / 山川菊栄 / 堺利彦 / 矢内原忠雄 / 遠藤隆吉 / 東アジア / 女子教育 / 正田淑子 / 上代タノ / 戸田貞三 / 疫病史観 / 社会事業政策 / 衛生医療 / 社会福祉史 / 日中交流 / 中国社会事業 / 社会政策移転 / 中立性 / 公益性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は主に中国語の雑誌・新聞資料を駆使し、関連する日本語資料を参照しながら、1)中国社会事業行政・政策の形成過程における日本からの影響;2)社会事業人材育成における日本からの影響;3)民間社会事業団体における日本と中国の交流;4)社会事業の形成と展開における日本と中国の特質、といった4つの課題を解明しようとする。本研究の主な狙いは、①植民地支配や日中戦争を背景とした時期に、日本と中国の間で行われた社会事業に関する政策移転は、その中立性と共益性という側面があるかどうか、②あるとすれば、それを達成できた主な動因、要件、プロセスがなにか、すなわちそのメカニズムを究明したい。
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研究実績の概要 |
本研究の主な狙いは、歴史的な視点での検証を通じて、日本と中国の間で行われた社会政策移転のプロセスの中に、中立性・共益性の側面を追究することにある。これまで社会事業史の視点から日本と中国との間で実際に行われた社会事業の交流と摩擦、そして社会事業の政策移転に対する研究は日中双方においてもほとんど着手されていないことを鑑み、本研究は資料発掘・整理の面においても、学問的問題提起の面においても重要な作業であると考える。今年度は、コロナ禍の影響で遅らせてきた研究計画の取り戻すことを目指して、ワークショップの開催や中国側が主催する対面式学術会議の参加により、研究成果を公表すると同時に、日中間の学者が直接に意見交換を行った。 研究実績について、1)研究成果の発信。代表者は中国で開催された「Shanghai Forum」、「社会政策国際論壇」、「社会保障国際論壇」などの国際会議に参加し、分担者は「Beijing などに参加して、歴史的な視点から日中間の社会政策移転の経路及びそれぞれの推進経路の比較について発表した。 2)研究論文の公刊。代表者は論文「戦前における社会福祉学科の留学生」、「東アジア社会政策の研究に歴史的な視野を」を雑誌に掲載し、分担者は、論文「『遠藤イズム』の醍醐味を発見する旅に出掛けよう!!」、『伊那路』「中村弥六と布引丸事件特集号」を企画・編著し、日中間政策移転における伝統的な手法と新しい手法の間の継承関係を分析した。そして、その政策移転の中立性・共益性を見出すことも試みた。 3)中国の北京大学、復旦大学、華中師範大学を訪ね、公開されつつある新聞・雑誌などの中国語資料を収集し、資料分析、史料批判作業を引き続き行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で、中国など海外への研究調査と学術交流が数年間ストップされ、研究プロジェクトの展開と継続に大きな支障を来されたが、昨年度から現地資料調査や対面学術会議の参加などがやっと再開できた。本年度に代表者が中国の復旦大学、上海交通大学、北京大学、南京大学など海外研究機関に行くことが実現でき、研究発表・招待講演などの学術交流を行った。 しかし、海外との学術交流が復活できたが、予定されていた海外研究調査をはじめ、研究プロジェクトの特徴となる社会事業政策の「国際的移転のメカニズム」視野での全面的点検において、史料批判や論点の析出に再考せねばならない必要性が依然として感じられ、時間をかけて国内外での資料調査と現地視察を実施し、本研究プロジェクトを集大成するつもりである。
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今後の研究の推進方策 |
研究プロジェクトの集大成となる2024年度では、以下のような推進方策を取りたいと考えている。1)研究成果の総括と公開。代表者と分担者は、日本及び中国で開催する学術会議に積極的に参加し、実証研究の成果を発信する。また、海外からの研究者を招聘し、本研究テーマをめぐってシンポジウムかワークショップを開催し、学術交流を通して、外部からの検証意見を収集する。 2)研究論文の執筆と公開。本研究プロジェクトの完成に向けて、研究論文シリーズの執筆に取り組み、日中の学術誌などに発表し、本研究プロジェクトで得た認知と識見を公にして行く。 3)資料データベースの充実。これまで集めた中国語の関連資料を日本語資料などに照らして整理し、データベース蓄積の作業を充実・整備していく。
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