研究課題/領域番号 |
19K02237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 新潟県立看護大学 |
研究代表者 |
渡辺 弘之 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (10300097)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ハンセン病 / ベトナム / 子ども / QOL / Vulnerability / 子どもたち / QoL / 自立支援 / 傷つきやすさ / vulnerability |
研究開始時の研究の概要 |
ベトナムには身体障害や社会的偏見のため一般社会での生活が困難となったハンセン病元患者を受け入れる「ハンセン病村」が存在する。ベトナムでは元患者同士の結婚・出産に対し制限が設けられなかったため、ハンセン病村では元患者を親に持つ子どもたちが誕生してきた。申請者が行った調査では、子どもたちは進学や就職などで様々な被差別経験に遭遇し、精神的な葛藤を経験することが明らかとなった他、一般群と比較してQOLや自尊感情が低く、子どもたちは固有の「傷つきやすさ」を有していると考えられる。本研究はハンセン病元患者の子どもたちの健康増進、自尊感情の改善を通じたQOLの向上、社会的支援のあり方について検討する。
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研究成果の概要 |
ハンセン病元患者の子ども群と一般群全体のQOL比較を行った結果、身体的健康、友だち(p<.01)、QOL総得点(p<.01)において、元患者の子どもたちが有意に低い結果となった。小学生では元患者の子ども群と一般群との間には有意差がなかった。中学生では、身体的健康(p<.05)とQOL総得点(p<.01)において有意差がみられ、元患者の子どもたちの方が有意に低い結果となった。高校生では、身体的健康と学校生活に有意差がみられた。身体的健康は一般群の方が有意に高く(p<.01)、学校生活については元患者の子どもたちの方が有意に高かった(p<.01)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「親が特定の病気を抱えている場合、子どもにどのような影響を与えるのか」という点についての解明を目指した。この研究では、ハンセン病という社会的偏見を伴いやすい疾病を扱っているが、元ハンセン病患者の親を持つ子どもたちの場合、一般群の子どもたちと比較して、成長するにつれてQOLが低くなる傾向がみられた。しかし、元患者の子どもたち(高校生)の場合、精神的外傷後成長(PTG)に相当する事例もみられ、学業面で秀でた結果を残している子どもの存在が明らかとなった。偏見を持たれやすい疾病を抱えた家族の子どもの場合、健康上および社会生活上のサポートの必要性がこの研究から導き出された。
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