研究課題/領域番号 |
19K02238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 精神病者社会事業 / 精神病者社会事業史 / 精神病者慈善救治会 / 中央社会事業協会 / 精神病者監護法 / 精神病院法 / 社会事業史 / 近代日本精神病者処遇 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究において、近代日本の「精神病者」関連2法(精神病者監護法と精神病院法)の政策過程分析を行い、「精神病者」対策の特徴が人力政策に伴い意図的に形成された理念としての「保護」と方法としての「権威的取締」という「両価性」にあったことを明らかにしてきた。本研究では、分析対象をマクロ的視点(政策主体)からメゾ的視点(運用主体)に拡大し、政策的意図が運用主体にどう影響したかを解明する。つまり本研究の目的は、精神病者監護法と精神病院法の運用過程分析を通して、近代日本精神病者社会事業において保護と取締の「両価性」がどのように意図されながら、あるいは結果として展開されたかを明らかに示すことにある。
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研究実績の概要 |
研究期間全体の研究成果を以下の4点に集約する。 (1)1920年代から30年代の精神障害者に関連する統計、学術雑誌、新聞等の史資料調査を実施した。史資料を順次整理しアーカイブを作成・公表準備中である。 (2)1900年から昭和初期の精神病者監護法及び精神病院法施行に関する規則、医師法、診療所取締規則・細則、産婆竝産院取締規則、勅令、訓令、通牒等を基に、精神病者関連諸規則類の改廃過程分析を行い、公立病院の必要性を認識しつつも、民間に依存する政策を進めてきた日本の特質を明らかにした。 (3)1920年に内務省救護課が社会局となり、その後社会事業の拡大が進められた。1920年代の精神病者慈善救治会の活動分析を行い、同会が寄付に基づく慈善活動から政策的な動向の影響を受けて社会事業団体へと転換を図っており、精神衛生運動体として精神障害者を取り巻く問題を社会問題として明確化しようと試みていたことを明らかにした。政策的にも社会的にも精神障害者への関心が薄かった1920年代において同会の果たした役割は大きい。 (4)しかし1930年には国際情勢が複雑緊迫化し、国防・軍事力を高める「人力政策」の強化が求められ、そのための労働力確保と国民体位向上への関心が高まっていた。民族衛生運動が活発化し、精神病等の「悪質遺伝子」が喧伝され、断種法の必要性が学会や議会でも声高に議論され、政策立法的な動きがあった。1930年に中央社会事業協会が主催した「社会問題としての精神病」と題する懇談会の内容分析を行い、懇談会の焦点は精神障害者の「断種」が「社会全体の問題の解決」となるか否かにあり、断種法推進の動きに一石を投じる議論となったことを明らかにした。 全体として、近代日本精神病者監護政策が「保護」と「権威的取締」という両価性を有していたこと、その両価的政策意図の1920-30年代の社会事業の運用主体への影響を解明した。
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