研究課題/領域番号 |
19K02245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
吉田 健三 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80368844)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アメリカ / 年金システム / 確定拠出型年金 / 401(k)プラン / 退職危機 / SECURE Act / 退職後所得保障 / ミドルクラス経済 / 年金 / モデル給付 / 個人勘定制度 / 年金政策 / 国際比較 / 確定拠出年金 / 社会保障 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「確定拠出型年金を有効に機能させる政策や支援はどのようなものか?」という問いを課題とする。具体的な目標は、第一に、米国および日欧中各国における確定拠出年金による所得保障状況の比較、第二に確定拠出年金の普及に伴う年金政策の領域、課題、争点の変質の分析、第三に非営利団体による金融リテラシー教育等、低所得者支援活動の実地調査、第四に上記政策および支援活動に関する指標の構築と国際比較、第五に日本の年金規制、および貧困支援に関する政策的示唆の提起である。
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研究実績の概要 |
本研究の核心的な問いは「確定拠出型年金を有効に機能させる政策や支援はどのようなものか?」であった。この問いに取り組むため、2021年度から、 確定拠出型年金が早くから普及しているアメリカにおいて、それが国民の退職後所得の手段として有効に機能しているかどうか、とりわけ近年のアメリカで指摘される「退職危機」と確定拠出型年金の普及とが、どのように関係しているのか、という課題に取り組んできた。 その結果、両者の関係は必ずしも統計的に明らかではなく、「退職危機」が退職後所得保障システムの伝統的な不備の再発見という側面があること、また個人勘定型制度による諸問題は統計数字上は観測の困難なものであることが示された。2022年の5月には社会政策学会全国大会において、このテーマに関して報告を行い、その議論を踏まえて6月には専門誌に投稿を行なった。2023年4月現在、なお査読者とやり取りの途中であり、2023年度中には成果として出版できると考えられる。 また、2022年度は、前年度の社会政策学会全国大会報告を踏まえ、2019年SEQURE法を中心とするアメリカの企業年金政策の検討を行なった。具体的な政策展開やそれをめぐる議論は、上記の革新的な問いにより迫るものである。この問題について、より歴史的なアプローチを図ることが本研究の中心的な課題となる。具体的には1974年に成立したエリサ法による規制体系が401(k)プランの普及とともにどのような変化を遂げたのかに次いて考察されなければならない。これらの課題に関する成果は、まだ論文として形にできておらず、2023年度以降の課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により、当初予定していた海外での調査は多く先送りにされたが、2023年3月にはワシントン、ニューヨークへ訪問し、現地の関連機関や団体、研究者の話を伺うことができた。アメリカでは他国に先駆けてさまざまな試みが議論され、検討されている。コロナ禍により、国際横断的な研究は難しいものの、当初から研究目標としていたアメリカに焦点を絞ることができたのは怪我の功名というべきであり、より実りのある成果が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナのパンデミックに対する渡航制限がワクチンの普及とともに国際的にも緩和され、ようやく海外調査ができる環境となった。昨年度の渡航に引き続き、本年度も渡航しての現地調査を実施したいと考えている。また、オンラインでの資料収集、またコンタクト、文献検討や資料の整理、精査も継続していく。また、本年度は本来の研究期間から1年延長されている。成果を論文などの形にすることにより注力してきたいと考えている。
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