研究課題/領域番号 |
19K02247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
根本 治代 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (70386340)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 障害者雇用 / 知的障害者 / 中長期のキャリア形成 / 組織社会化 / キャリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、障害者の能力の維持・開発を中心としたキャリアの進展が、企業における障害者雇用の促進にどのような影響を与えているのかを、知的障害者の組織社会化の過程から実証的に検証していく。具体的には特例子会社の知的障害者雇用を対象に、個人の技能的側面(業務遂行)及び文化的側面(組織の規範・規則・制度・人間関係)と、社会化エージェント(同僚、上司、職場管理者、雇用主)の関係性を明らかにし、障害者雇用が企業活動に及ぼす運営上の効果として、①組織が個人に及ぼす影響(組織コミットメント、職務満足、離転職)②個人が組織に及ぼす影響(全体的職務満足、組織風土、相互作用、職務関与)から分析する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、障害者の能力の維持・開発を中心としたキャリア形成の進展が、企業における障害者雇用の促進にどのような影響を与えているのかを、キャリア形成が難しいとされる知的障害者の組織社会化(Organizational socialization)のプロセスから実証的に検証することである。2022年度は、これまでの調査での知的障害者雇用における支援事例から、組織社会化の概念を用いて、組織内の相互作用から組織と個人がどのように知識・技術を獲得し、アイデンティティを形成していくかといったプロセスを分析することができた。その分析結果として、組織社会化は組織と個人の双方に影響を与えており、具体的には個人への成果として、将来のキャリア展望、職務満足、自己効力感の獲得、モチベーション、組織コミットメントに影響していた。組織的成果として、組織の統合性・明確性への指向、円滑な従業員間の調整・統合、相互扶助による関係形成、新たなコンセンサスの形成、自律的組織としての受容に影響していた。今後は知的障害者の中長期のキャリア形成が企業活動にもたらす効果として、職務態度やパフォーマンスへの貢献、離職意思の低減等、長期的キャリアの見通しといった中・長期的な成果への影響について検証する必要がある。以上の分析結果を、「知的障害者雇用における組織社会化」と題して、日本発達障害学会第57回研究大会(オンライン)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
企業の職場管理者へのインタビュー調査を、2021年8月~2022年3月に実施予定であったが、コロナ感染予防による自粛のため企業への調査が困難となった。助成期間を延長し、特例子会社の職場管理者へのインタビュー調査を、2022年7月~9月の期間で実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年7月~9月の期間で実施した特例子会社の職場管理者へのインタビュー調査として、合計8社のデータ分析結果をまとめ、研究報告書として作成する。2023年7月~10月の期間に研究報告書をもとに、各企業に調査結果を報告する。研究成果として、分析結果を踏まえ、知的障害者の中長期のキャリア形成が企業活動にもたらす効果として、その内容をまとめ、日本社会福祉学会、日本発達障害学会、日本社会福祉士会の2023年度大会にて発表する。さらに日本社会福祉学会、日本発達障害学会の学術学会誌に論文としてまとめ投稿する。
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